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ブロードバンドとは ~ 光通信FTTHの時代へ ~
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今ご利用のインターネットは、どのような接続方法で利用されていますか? 一口にインターネットといっても、その接続方法には様々な種類があります。
多くの場合は、NTTの電話回線を利用されていることでしょう。しかし、インターネットの接続方法は、電話回線以外にもたくさんあります。携帯電話やケーブルテレビ、光ファイバー、駅や空港での無線LANサービスなどがあげられます。
要するにデータがやり取りできれば、有線であれ無線であれ、銅線であれ光ファイバーであれ問題はありません。問題となるのは「速度」です
以前の主流だった「ダイヤルアップ接続」では、単純な画像が表示されるのにも数十秒かかるくらいの速度しか出ず(小容量のデータの送受信しかできない)、現在のように動画を見たり音楽をダウンロードすることは困難でした。
ダイヤルアップ接続とは、電話回線のモジュラージャックとパソコンを接続し、モデムという電話回線のアナログとコンピュータのデジタルを変換する機器を中継して、契約するプロバイダにダイヤルアップ(電話をかける)して、インターネットに接続する方法です。
したがって、インターネットに接続している時間分の電話料金が発生するのです。ダイヤルアップ接続は速度が遅く、アナログで56Kbps、ISDNでも64Kbps程度しか出ませんでした。また、コンピュータウィルスや悪意のあるサイトから、ダイヤルQ2等に電話をつながれ、膨大な電話料金が発生したりといったトラブルも起こりました。
速度「bps」は、データ伝送の速度を表す単位で、その他の単位 で詳しく解説しますが、1秒間に転送可能なビット数 を表しています。計算式も同項で解説しますが、56Kbpsの速度では、一般的な5MB前後の音楽ファイルをダウンロードするのに、10数分かかってしまします。
そこで、さらなる高速大容量化と、電話料金の固定された常時接続サービスが求められるようになりました。
大容量のデータを送受信できる高速インターネット接続サービスのことを、
ブロードバンド
といいます。ブロードバンドの代表格として、xDSL、CATV、光ファイバーといった有線のものと、FWA、IMT-2000といった無線通信によるものがあります。
通信速度としては、通常 500Kbps以上をブロードバンド と言います。現在(2008年調査)では、ブロードバンドの世帯普及率は5割を超えており、今後ますます普及して行く見込みです。
さて、先述のようにブロードバンドの種類はいくつかありますが、中でも最も普及している接続方法の一つは、
xDSL(エックス ディー エス エル)
と呼ばれる接続方法です。xDSLは、ADSLやSDSL、VDSLなどの総称で、「x」は特定のサービスを表しています。DSLは「Digital Subscriber Line」(加入者回線)の略になります。
xDSLでは、数Mbps~数十Mbpsという、最低でもダイヤルアップ接続の10倍の速度でインターネットを利用することができます。そのうえ常時接続サービスであり、いくら使っても定額料金となります。(パソコンの電源を切っていてもモデムは常時インターネットに接続しています)
また、加入している固定電話の電話回線(銅線)を使用することができ、大掛かりな工事も必要ありません。
しかし、ダイヤルアップ接続と同じ電話回線を使用するのに、なぜ10倍以上もの速度が出るのでしょうか?
その理由は、同じ電話回線でも「電話」と「インターネット」では使用する帯域が異なるからです。
従来のダイヤルアップ接続は、電話回線である銅線ケーブルにおいて、「電話」というサービスが占有する帯域を、インターネットも「拝借」して使用していました。
つまり、「インターネット」という「電話」とは異なるサービスを利用しているのに、「電話」を使用しているのと同じことだったのです。ゆえに、電話をかけて接続する「ダイヤルアップ」と呼ばれるのです。
したがって、電話料金も接続時間分(通話時間分)かかってしまうことや、インターネットを使用している時は電話が使えないなどの問題もありました。
一方、xDSLでは、電話回線の「電話以外の帯域」を使うことで電話と分離し、大容量の高速通信を可能にしています。
通常、一般の電話回線では、音声(電話)の帯域である約300Hz~4KHzの間の帯域しか使われていません。それ以上の音声帯域は、人間の耳では聞き取れないからです。
つまり、電話回線の中には、使われていない空の帯域が存在しているのです。この帯域をインターネットに利用しようというわけです。したがって、
xDSLは、電話以外(4KHzより高い周波数)の帯域を使うことで大容量高速通信を可能にしている
のです。実際には、「スプリッタ」という機器を接続して周波数帯域を分離します。接続形態は、「電話のモジュラージャック」→「スプリッタ」→「xDSLモデム」→「パソコン」となります。

このように、xDSLは、光ファイバーのように新たにインフラ整備をすることなく、既存の電話回線を利用でき、また安価であるために爆発的に普及しました。
このxDSLの中で、最も有名で普及しているのが、
ADSL(エー ディー エス エル)
です。ADSLとは「Asymmetric Digital Subscriber Line」の略で、Asymmetricとは「非対称」の意味になります。
何が「非対称」なのかというと、データを「送る(上り)」速度と「受け取る(下り)」速度が非対称なのです。具体的には、ADSLは、
上り(アップロード)の速度よりも、下り(ダウンロード)の速度の方が速い
という通信です。なぜ「非対称」なのかというと、一般的にインターネットを利用する場合、送るデータより送られてくるデータの方が圧倒的に多い からです。
例えば、「ウェブページの表示」という通信の場合、上り(送るデータ)は、ウェブページの表示要求のみに過ぎませんが、下り(受け取るデータ)は、ウェブページに含まれる画像や文字データといった、コンテンツすべてになります。
このように、非対称というのは、電話回線という既存の回線を利用して高速通信を実現する方法として、実に理にかなった形態なのです。
また、xDSLにはADSLの他にも、上りと下りが同じ速度(対称)のSDSLや、ADSLをさらに高速化した非対称通信のVDSLなどがあります。xDSLでは、非対称の場合は、必ず下り速度の方が上り速度よりも速くなっています。
さて、そんなxDSLにも欠点はあります。
xDSLは一般の電話回線を使用するため、アナログ回線 である必要があります。したがって、ISDNはデジタル回線であるため、xDSLを使用するには、アナログ回線に戻さなければなりません。
また、アナログ回線ということは、アナログデータとは で解説のとおり、
雑音(ノイズ)の影響を受けやすい
という欠点があります。したがって、
電話局から離れれば離れるほど速度も落ちるため、電話局から数kmまでの範囲しか利用できない
のです。つまり、パソコンを設置している場所(家など)が、電話局(またはADSLの基地局)から離れていればいるほど速度も下がり、離れ過ぎていると利用できないということです。
ADSLでは、1Mbps~47Mbps程度のプランを契約することができますが、例えば、8Mbpsのプランを契約したとしても、立地条件等によっては、1Mbps程度の速度しか出ないこともあります。
そこで、高速通信のインフラは、アナログであるxDSLから、さらなる大容量高速通信を可能にする光ファイバーにシフトしつつあります。
光ファイバーであれば、ブロードバンドを含め、デジタルテレビ放送や電話なども統合して、それらをひとつの回線で利用することができるほどの大容量高速通信を可能にします。光ファイバーは、約100Mbpsの通信速度を実現しています。
通信用のケーブルには、これまで銅線が主に使われてきました。光ファイバーは、その名のとおり「光」を通すケーブルです。「光」は、全反射しながらケーブルの中を伝わっていきます。
このため、光ファイバーは、銅線の約一万本以上という非常に大容量で高速な通信を行うことができ、また、ノイズの影響を受けにくいという特徴があります。
光ファイバーを全国の家庭に引き込んで、インターネットのみならず、電話やデジタルテレビ放送なども含めた総合サービスを提供するという構想が、行政をあげて日本中で進められています。
この構想ことを、
FTTH(エフ ティー ティー エイチ)
といいます。FTTHは「Fiber To The Home」の略ですが、最近では、単に光ファイバーを家庭に引き込むことをFTTHと言う場合が多いです。
2008年の調査で、関東地方におけるブロードバンドサービスの内訳が、FTTHが523万9128件(29.2%)、xDSLが497万6884件(27.7%)とFTTHがxDSLを上回る結果となっています。
現時点では、全国平均ではxDSLの方が上回っていますが、今後FTTHの時代になるのは間違いないでしょう。
余談ですが、私の岡山の実家もFTTHとなり、インターネットのみならず、テレビや電話、市内放送なども光ファイバーケーブルで行われています。
ブロードバンドには、他にも CATV(ケーブルテレビ)のケーブルネットワークを利用して接続したり、無線を利用した FWA(固定無線アクセス)などもあります。どちらも数十Mbpsの速度通信が可能です。
CATVによるインターネットは、高速で安価ですが、ケーブルテレビ会社が地域にないとどうしようもありませんし、CATVネットワークは、加入者がLANを形成しているようなものなので、インターネットの利用者が増えると速度が低下してしまいます。
FWA(エフダブリュエー)は、ケーブル設置のコストがかからず安価ですが、無線の到達距離が数kmと短いことや、無線の混信といったデメリットがあります。
また、携帯電話の大容量高速通信方式である、IMT-2000(アイエムティー ニセン)も、最大2Mbpsの通信が可能です。
さて、このようにブロードバンドによって、私たちは様々な恩恵を受けることができるようになりますが、そもそもプロバイダ同士の通信などインターネットの基幹ネットワークは、すでに光ファイバーなどの高速通信を行っていますし、海外とも光海底ケーブルで運用されています。
この通信業者間の基幹ネットワークを、
バックボーン
と言いますが、バックボーンはすでに高速大容量通信が確立しているのです。つまり、速度が遅いのは、プロバイダから各家庭のパソコンまでの間だけなのです。実は、プロバイダから各家庭までの距離が高速になりさえすれば良い のです。
このプロバイダから家庭までの通信距離を、
ラストワンマイル
と言います。世界中に広がったインターネット網は、各家庭に届くまでの「ワンマイル」ほどの距離までは高速通信整備が完了しています。このあと少しのラストワンマイルに対して、ブロードバンドが求められているのです。
たかが「ワンマイル」といっても膨大なコストがかかりますが、これからますますFTTHか浸透して、様々なITサービスと融合して、いつでもどこでもコンピュータネットワークを利用できる「ユビキタス社会」が実現して行くことになると思います。
補足として、ダイヤルアップ接続は「回線交換方式」なのに対し、ブロードバンドは「パケット交換方式」が主になります。(詳しくは、データ伝送 を参照してください)
- 更新日:2009年5月17日(更新内容は本ページ下部に記述)
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更新履歴
- 2008年7月25日
- ページを公開。
- 2009年5月17日
- ページをXHTML1.0とCSS2.1で、Web標準化。レイアウト変更。
参考文献・ウェブサイト
当ページの作成にあたり、以下の文献およびウェブサイトを参考にさせていただきました。
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