基礎からわかる!パソコン入門・再入門 / Word・Excel・PowerPoint・Outlook

ファイルの保存と関連付け

  • 著者:YAMANJO
  • 公開日:2008年7月25日
  • 最終更新日:2024年12月25日

ファイル形式と対応するアプリケーションソフトを示す拡張子は、いつ付与されるのでしょうか?また対応するアプリケーションソフトをどのように決めているのでしょうか?詳しく学習していきましょう。

拡張子はいつ付くか

例えば、Wordで作成したファイルの拡張子は「.docx」、Excelで作成したファイルの拡張子は「.xlsx」になりますが、これらの拡張子はいつファイル名に付加されるのでしょうか?

すでにおわかりのことと思いますが、私たちはしっかりとその作業を自ら行ってるのです。

それは、

保存

という作業です。

保存によって、バイナリデータがファイルという形式にまとめられ、保存先のパスが決定すると学習してきましたが、さらに「拡張子を付加する」という役割も担っています。

Wordで作成したファイルを保存する場合、下図のように「ファイルの種類」が「Word文書(*.docx)」になっています。

「名前を付けて保存」画面のイメージ

このまま「保存」ボタンを押すと、保存と同時に拡張子「.docx」がファイル名に付加されます。

通常はファイルの種類を意識することなく、ファイル名を入力してそのまま「保存」する場合がほとんどですが、この画面で拡張子を付加する作業を行っているのです。

Wordで作成したファイルに対して、ファイルの種類というのはどういうことかというと、この部分はリストメニューになっていて、Wordファイルであっても細かく種類を変更して保存することができるようになっています。

「名前を付けて保存」画面のイメージ

これがまさにファイル形式になります。Word形式の中にもいくつかのパターンがあり、PDFやHTMLといった他の形式に変換して保存することもできるようになっています。

つまり、保存時にファイル形式を選択できるわけです。個々のファイル形式の特徴については次項で学習しますが、拡張子を付加するということは、ファイル形式を決定するということでもあります。

ここまで学習された方は、ファイル形式と拡張子の違いについて理解できているはずです。おさらいになりますが、拡張子はファイル形式ではなく、ファイル形式を示しているただの文字列にすぎません。この例では、ファイル形式が「Word文書」、拡張子が「.docx」になります。(正式には「DOCX形式」ですが「Word文書」というわかりやすい名称にしていると思われます)

このように、

ファイル形式と拡張子の名称が異なる場合もある

ので注意しましょう。

ファイル形式が「.docx」ではありません。多くの場合はファイル形式が「PDF」、拡張子も「.pdf」のように同じになっています。そのため、慣例的にファイル形式を拡張子名で表現する場合もあり、明確に使い分けるというわけではありません。

ファイル形式も「Word文書」と表現しているように、慣例的な名称で表現する場合があります。しかし、ファイル形式と拡張子は異なるものという理解は重要になるので、しっかり整理しておきましょう。

また、現在のOffice(WordやExcelのパッケージ)の標準の拡張子は、Office2003以前の拡張子と変わっており、Office2003以前のバージョンでは開けなくなっています。

以前の拡張子は「.doc」で、アイコンも微妙に異なります。例えば、Word2003で現在の拡張子「.docx」のファイル形式は開けません。(逆にWord2007以降バージョンのWordで「.doc」のファイルは開くことができます)

DOC形式のアイコンとDOCX形式のアイコンのイメージ

このように、バージョンの違いやアプリケーションソフトの違い、OSの違いなど異なる環境で、ファイルが問題なく動作するかどうかを「互換性(ごかんせい)」と言います。

正常に動作する場合は「互換性がある」、正常に動作しない場合は「互換性がない」と表現します。互換性については、互換性/バージョンとは で詳しく学習します。

保存時に「ファイルの種類」でファイル形式を標準から変更する場合は、この互換性を考えて変更することが多いです。

関連付けとは

保存という作業は、バイナリデータをファイルという形にまとめ、保存先とパスを確定し、ファイル形式を示す拡張子を付加するという3つの大きな役割を持つことになります。

そして、ディレクトリにそのファイルの名称やパス、拡張子などの基本情報が登録されます。しかし、学習してきたとおりファイルの内容やファイル形式は登録されません。

ファイルの内容やファイル形式は、それを扱うアプリケーションソフトに任せているからです。したがって、ディレクトリやファイルシステムは、登録されているファイルがどのアプリケーションソフトで開くのかには関与しません。

しかし、例えば「.docx」の拡張子がファイルに付加されて保存されると、そのファイルのアイコンをダブルクリックすれば自動的にWordで開くようになります。

なぜかというと、

拡張子とアプリケーションソフトが関連付けられている

からです。

つまり、「.docx」のファイルをダブルクリックすると「Word」が立ち上がるように、両者を紐づけているわけです。では、誰がどこでそれをやっているかということですが、当然ながらこれもOSの仕事になります。

だたし、保存のたびに関連付けが行われているわけではありません。保存時にファイル形式と拡張子は決定されますが、関連付けはすでにされています。

例えば、「Word」と「.docx」の関連付けはWordがインストールされた時点で行われおり、ユーザーがあえて変更しない限りそのまま維持されます。つまり、保存時にはその情報を活用しているだけです。

このように、基本的に関連付けはアプリケーションソフトのインストール時やユーザーによる設定変更時に行われます。

例えば、Wordをインストールすると、インストーラーが「.docx」をWordに関連付ける情報をOSに登録します。この情報はファイルシステムやディレクトリに登録されるわけではありません。詳しくは割愛しますが、Windowsの場合は、設定情報を一元的に管理するための「レジストリ」と呼ばれるデータベースに登録されます。

また、ダウンロードしたファイルなどでまだ関連付けがされていないファイル形式や、PDFファイルのように扱えるソフトが複数あるファイル形式は、ユーザーが関連付けを指定または変更することができます。

したがって、

関連付けとは拡張子に対応するアプリケーションソフトを決めること

と言い換えることができます。

下図の画面で、拡張子とアプリケーションソフトの「関連付け」を確認することができます。

「ファイルの種類ごとに既定のアプリを選ぶ」画面のイメージ

この画面で関連付けを変更して、違うアプリケーションソフトから開くように設定することも可能です。

例えば「.docx」のファイルを通常のWordではなく、Excelから開くように設定することができます。もちろん、前項の例のようにきちんと表示されないなどの障害が発生します。

こうしたアプリケーションソフトの関連付け設定画面は、Windowsのバージョンによって異なりますが、コントロールパネル(「ファイル名を指定して実行」画面で「control」と入力)の「既定のプログラム」から確認することができます。

関連付けを変更することはあまりないことですが、画像を表示するアプリケーションソフト(ビューア)や音楽プレーヤーソフトなど、以前使用していたアプリケーションソフトから変更したい場合などで、しばしば変更することがあります。

このように、OSはファイルを中身を判断して最適なアプリケーションソフトを選択しているのではなく、拡張子による関連付けによって決められたアプリケーションソフトが起動するようにしているのです。

更新履歴

2008年7月25日
ページを公開。
2009年3月31日
ページをXHTML1.0とCSS2.1で、Web標準化。レイアウト変更。
2018年1月25日
ページをSSL化によりHTTPSに対応。
2024年12月25日
内容修正。

著者プロフィール

YAMANJO(やまんじょ)

経歴
岡山県出身、1980年生まれ(申年)の♂です。現在、総合病院で電子カルテなどの情報システム担当SEとして勤務。医療情報学が専門ですが、ネットワーク保守からプリンタの紙詰まり、救急車の運転手までこなしています。
医療情報技師、日本DMAT隊員。ITパスポート、シスアドなど、資格もろもろ。
趣味は近所の大衆居酒屋で飲むこと、作曲(ボカロP)、ダイビング。
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