OS(オーエス)の注意事項
もとはただの数字である「0」と「1」の2進数がプログラムを形成し、そのプログラムが集まってソフトウェアを形成し、そのソフトウェアを管理しコントロールするボスがOSです。
そもそも、2進数でさえ電流のオンとオフに対応させているだけなのですから、そう考えると、人類の英知というのはもの凄いものだと感心してしまいます。
こうしたプログラムやソフトウェアの集合体を扱い処理するパソコンを、専門機器から誰もが扱える「道具」へと変貌させたのは、OSの進化のおかげです。パソコンに関するあらゆるもののコントロールタワーであるOSが、地方空港の管制官からヒースロー空港の管制官に成長してきたわけです。
前項でOSの役割について学習しましたが、その役割は多岐に及び、どれもが重要です。さらに、Windows95発売当時と現在の最新OSであるWindows11とでは、機能やGUIに大きな差がありますし、進化にともなってOSの仕事も増えています。
そのため、どこからどこまでがOSの役割であるかという線引きがとても難しくなりつつあります。
つまり、OSが優秀になればなるほど多くの仕事をこなせるようになり、以前までできなかったことができるようになれば、役割も増えていく可能性があります。
例えば、コンピュータウィルスなどの脅威からパソコンを守る機能(セキュリティソフト)がOSに搭載されるようになると、セキュリティ対策という役割が追加されることになるでしょう。
しかし、これは違法となる可能性が高いです。
なぜなら、ウィルスなどのセキュリティ対策専門のソフトウェアやサービスを生業とする企業の利益を奪うことになり、独占禁止法違反になる可能性があります。
OSに標準搭載されていれば、新たにウィルス対策ソフトを購入する人はあまりいないからです。(Windows Defenderというソフトが搭載されていますがグレーな扱いとなっています)
こうした事例はいくつもあり、OSの範疇をどう考えるかが問題となります。OSの範疇を越えて機能拡張するべきではありません。OSというソフトウェアの影響力はあまりにも大きいためです。
OSの役割とは本来、パソコンを使う上での環境を整える裏方の仕事であり、人間とパソコンの橋渡し役でしかありません。
このサイトをご覧になっている多く方は、Windowsのユーザーだと思います。このサイトを見ているということは、ブラウザ(インターネットを閲覧するアプリケーションソフト)を利用しているということですが、WindowsにはInternet Explorer (インターネット エクスプローラ)やMicrosoft Edge(エッジ)というブラウザが標準で搭載されています。
WindowsのユーザーはOSの機能として何気なくIEやEdgeを利用していると思いますが、ブラウザとOSは違います。
ブラウザには他にも多くの種類があり、IEやEdgeはその中のひとつに過ぎません。他のブラウザには、FireFox(ファイアフォックス)、Safari(サファリ)、Google Chrome(グーグル クローム)などがあります。
Windowsはその他に、Media Player(メディアプレーヤー)といった、動画や音楽を再生するアプリケーションソフトなども標準装備しています。
それら数あるアプリケーションソフトのひとつにすぎないものをOSに付加して販売しているので、Windowsのシェアを考えると、本来のOSの機能ではないアプリケーションソフトが独占状態になってしまうわけです。
これでは、他の企業はマイクロソフト社の顔色をうかがって商品開発するか、裁判を起こすしかありません。そしてこれは、ソフトウェアの健全な発展を阻害し、私たちユーザーも従うしかなくなる可能性があります。
ただ、パソコン初心者にとってはすべてがオールインワンで済む方が楽だし、そうあってほしいと思うことでしょう。とても難しい問題ではあります。
また、WordやExcelといったアプリケーションソフトもWindowsの一部だと思っている方が少なくないと思います。しかしこれも誤りで、Office(オフィス)という製品になります。
OfficeはWindowsとは別の製品でありOSの機能の一部ではない
ので注意が必要です。
パソコンを購入すれば、たいていWordやExcel 、OutlookといったOffice製品が入っています。WindowsというOSの一部と混同されてしまうような販売方法には問題があると思います。
このように、
本来ならば単体で販売されるべきアプリケーションソフトを抱き合わせてWindowsとしてパッケージ化している
ようなもので、これがOSというものをわかりにくくしている原因でもあります。
しかし、別売りで購入すれば、大げさに言えばパソコンをアプリケーションソフトのないただの箱として購入することとなり、初心者の方は大変困るというのは明白ですので、難しい問題です。今後の情勢を見守っていくしかありません。
また、Windowsは95、98、Vista、XP、7、10、11といったモデルチェンジを行っていますが、マイクロソフト社は、Windowsをモデルチェンジのたびに、
それまでの操作方法では操作できない
ような変更をすることがあります。
さらに名称が変わったり(Outlook ExpressはWindows VistaではWindowsメール、Windows7ではLiveメールに改称)、以前では使えていたアプリケーションが使えなかったりといった不満があります。
とは言うものの「初心者にやさしく」といった理念で改良されている(らしい)ので、慣れればそのバージョンのOSが使いやすいものになってくると思います。
更新履歴
- 2008年7月9日
- ページを公開。
- 2009年3月13日
- ページをXHTML1.0とCSS2.1で、Web標準化。レイアウト変更。
- 2018年1月24日
- ページをSSL化によりHTTPSに対応。
- 2022年1月9日
- 内容修正。
参考文献・ウェブサイト
当ページの作成にあたり、以下の文献およびウェブサイトを参考にさせていただきました。
- 文献
- なし
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