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積み上げ棒グラフの作成 ~ データ比較と区分線の挿入 ~

ラフを作成するポイントは、単純明快にして強調したい部分を際立たせることにあります。グラフは視覚で直感的に理解できるところに意味があるわけで、詰め込みすぎるとかえってわかりにくくなります。

しかし、そうは言っても前項で学習した複合グラフのように、少し手を加えることでわかりやすくなる場合もあり、作成者はいろいろな「引き出し」を持つことで、状況に応じた最適なグラフを選択することができるようになります。

本項では、そうした少しだけ手を加えることでわかりやすく見せるテクニックをご紹介します。

まずは、前項の複合グラフに引き続き、新しいグラフを作成してみましょう。本項で作成するグラフは、

積み上げ棒グラフ

になります。積み上げ棒グラフは、読んで字のごとく、棒グラフに各系列の値を積み上げていくグラフになります。下図のように、棒グラフの内訳を表現することができます。

積み上げ棒グラフのイメージ

このように、積み上げ棒グラフはその要素の内訳を表現するわけなので、売上の内訳、費用の内訳などのように構成比の推移を把握したい場合に利用されます。

では、前項の例を引き継いで、売上と費用の関係を考えてみましょう。

まず、下図は費用だけの推移を表したデータです。

年度別の費用の推移を示す表のイメージ

費用は「固定費」と「変動費」に分けることができます。費用全体に対する固定費と変動費の内訳を、積み上げ棒グラフで表現してみましょう。

積み上げ棒グラフを作成するには、表を範囲指定した状態で「挿入」タブの「グラフ」エリアより「縦棒/横棒グラフの挿入」ボタンをクリックします。

「挿入」タブの「縦棒/横棒グラフの挿入」ボタンのイメージ

すると、棒グラフの種類を選択できるので、「積み上げ縦棒」を選択します。

棒グラフの種類の選択ボタンのイメージ

アイコンをクリックすると、グラフが作成されます。

積み上げ棒グラフのイメージ

こうして内訳をみることによって、費用のうちでもどの要素(データ系列)が増加しているのかよくわかります。この例では、増加傾向のある費用のうち、固定費が年々上昇していることがわかります。

一方、グラフ作成ボタンより一括作成すると、下図のように、軸の値が逆になって(X軸項目とY軸項目が逆になっている)グラフが作成される場合があります。

積み上げ棒グラフのイメージ

こうした場合は、グラフを選択した状態で「デザイン」タブを選択し、「行/列の切り替え」ボタンをクリックすると「X軸」と「Y軸」を切り替えることができます。

「行/列の切り替え」ボタンのイメージ

さて、このように系列数がこれだけであれば比較は簡単ですが、もっと数が増えてくると、色も増えてきて区別しにくくなってきます。

そこで、もう少し手を加えてわかりやすくしてみましょう。積み上げ棒グラフで有効な方法が、

区分線

を表示させることです。区分線とは文字通り、それぞれの系列の区別がわかるように線を引くことですが、操作はとても簡単です。

まず、グラフを選択した状態で「デザイン」タブを選択し、「グラフ要素を追加」ボタンをクリックします。

「デザイン」タブの「グラフ要素を追加」ボタンのイメージ

すると、ボタンのメニューが展開されます。「線」より「区分線」を選択します。

「グラフ要素を追加ボタン」のメニューのイメージ

すると、グラフに区分線が挿入されます。

区分線が挿入された積み上げ棒グラフのイメージ

この場合は、系列が2つしかないのでそれほど効果はないかもしれませんが、系列数が増えてくると区分線が非常に有効になります。

ただし、線が増えるので、上図のように値の「目盛線」と重なって見えにくくなる場合があります。

積み上げ棒グラフの目的は、どの系列の比率が大きいのか、どのような傾向にあるのかを大まかに掴むのが目的なので、目盛線を省いても特に問題はありません。

目盛線を消す方法はいくつもあります。同様に「グラフ要素を追加」ボタンのメニューから「目盛線」を選択して消去することもできますが、今回はもっと簡単な方法でやってみましょう。

グラフを選択すると、グラフの右側に3つのアイコンが表示されます。そのうち「+」マークのアイコン「グラフ要素」をクリックすると、それぞれの要素(グラフを構成するタイトルや凡例などの構成要素)の表示・非表示を切り替えることができます。

「+」マークの「グラフ要素」ボタンのイメージ

このように、区分線を入れたり、時には目盛線も消すことで、それぞれの要素の区分けがはっきりして、より傾向がわかりやすくなります。

また、区分線の書式を変更したい場合は、グラフ上で右クリックし、メニューの「グラフエリアの書式設定」から、区分線をクリックすると「区分線の書式設定」画面が表示されます。

「区分線の書式設定」画面のイメージ

この画面より、色を変えたり太さを変更したりといった細かい書式設定ができます。

では、これらを踏まえて一番最初の積み上げ棒グラフに区分線を引いてみると、下図のようになります。

区分線を引いた積み上げ棒グラフのイメージ

目盛線を消したかわりに、値の桁が少ないので、同じ「+」マークの「グラフ要素」ボタンより「データラベル」を表示させてみました。

いかがでしょうか?非常にわかりやすくなりました。どの要素が増加傾向にあってどの要素が減少傾向にあるのか、容易に見て取れます。

さらに、データ系列の順番を入れ替えることもできます。どういうことかというと、強調したい系列を積み上げ棒の頂上にもってきたり、上下の順序を入れ替えたりすることが可能です。

グラフ上で右クリック、もしくは「デザイン」タブより「データの選択」を選択します。すると、「データソースの選択」画面が表示されます。

「データソースの選択」画面のイメージ

画面左下の「凡例項目」のエリアの上下ボタンより、それぞれ順序を入れ替えることができます。

区分線を引いた積み上げ棒グラフのイメージ

このように、区分線の活用や、その他のグラフ要素の表示・非表示、データ系列の順序変更を駆使して、よりわかりやすいグラフを作成してみてください。

では次に、少し応用編です。

先ほどの「費用」に「売上」を追加して、年度別に売上と費用を比較する積み上げグラフを作成してみましょう。イメージとしては、下図のようになります。

売上と費用を並べて比較するグラフのイメージ

一見簡単そうですが、このグラフを作成するためには少々テクニックが必要になります。

まず、グラフ作成のもととなる表の作成が必要になります。単純に表に「売上」のデータを追加すると、以下のようになります。

年度別の売上と費用の推移を示す表のイメージ

ただし、この表を範囲指定して積み上げ棒グラフを作成すると、「売上」も同じ系列の値として含まれて積み上げられてしまいます。

積み上げ棒グラフのイメージ

したがって、グラフ作成のもととなる表自体を修正しなければなりません。

まず、「売上」が「費用」に含まれて積み上げられてしまうのは、同じ行(または列)に値を入力しているためです。つまり、同じ系列のデータだと認識されているのです。

そのため、異なる系列のデータは異なる行(または列)に入力しなすことで、別の系列として認識させることができます。この場合は、行追加して別の行に「売上」と「費用」の値を入力しなおします。

売上と費用を別の行に入力した表のイメージ

表としては美しくないですが、こうすることで、「売上」と「費用」は別系列のデータとして認識してくれます。この表を範囲指定して積み上げ棒グラフを作成すると、下図のようになります。

売上と費用が別系列で積み上げられたグラフ

別系列のデータとしてグラフになりました。ただ、グラフの色が異なって作成されています。

凡例のところをよく見ると「年度」も値のデータとして加わってしまっています。それに「青色」が使用されているためで、「変動費」が「黄色」になっています。

当然、「年度」には値がはないので、青色のグラフは表示されませんが、仮に値があったとしたら、「売上」か「費用」にその値が加えられて積み上げられることになります。

そのため、「年度」を値のデータ系列に含めないようにする必要があります。つまり、値としてではなく、項目タイトルとして認識させなければならないのです。

列をタイトルとして認識させるためには、空白セルを潰す必要があります。もしくは、「B2」セルに「年度」という文字列があるために、値の列として認識されています。

したがって、例えば、下図のようにタイトル列の空白を文字列で埋める、もしくは「年度」の文字列を消去することで、「B列」がタイトルとして認識されるようになります。

タイトル列の空白を文字で埋めた表のイメージ

この表を範囲指定してグラフを作成すると、下図のように「B列」はデータ系列から外れ、項目タイトルとして「年度」が表示されるようになります。

ある系列をグラフの値の範囲から外したイメージ

ただ、これではまだ「年度」がごちゃごちゃして見にくいので、項目タイトルをもう一列追加して、タイトル項目を増やすことで改善することができます。下図のように、もう一列追加して項目タイトルを入力します。

表に項目タイトル列を追加したイメージ

グラフ上で右クリックし、「データの選択」から範囲を指定しなおすと、下図のように年度ごとに区分けされた見やすいグラフになります。

項目タイトルを追加したグラフのイメージ

あとはグラフの書式設定等で細かい見栄えをよくするだけです。

同様にグラフ上で右クリックし、「グラフエリアの書式設定」より画面右に書式設定画面を表示させます。次に、グラフ部分(棒グラフの棒の部分)をクリックし、書式設定画面を「データ系列の書式設定」画面にします。

「データ系列の書式設定」画面のイメージ

3つ並んだアイコンのうち「系列のオプション」アイコンをクリックし、「要素の間隔」のレバーをドラッグするか、矢印ボタンを使って間隔を調整します。ここでは「10%」にしてみます。

「要素の間隔」を変更したグラフのイメージ

これで、「売上」と「費用」の棒グラフの間隔が狭まり、年度単位では見やすくなりました。しかし、「年度」同士の間隔も狭まってしまうため窮屈になってしまいました。

そこで今度は、「年度」同士の間隔を広げてやる必要があります。ところが、書式設定画面には、こうした大項目の間隔を広げる設定がありません。どうするのかというと、また表を修正して、無理やり間隔を広げます。今度は、下図のように列ではなく「行」を追加します。

空白行を挿入した表のイメージ

このように、「年度」と「年度」の間に空白の行を挿入して間隔を無理やりつくるのです。すると、下図のように「年度」の間に1系列分の間隔が空きます。

大項目の間に間隔が挿入されたグラフ

ただし、このままでは、挿入した空白行がそれぞれの年度に含まれるように仕切りがされる(赤線の部分)ため、「年度」の列の空白セルにブランク(空白スペース)を入力します。

セルにブランクを入力しているイメージ

これで、年度ごとに仕切りができて非常に見やすいグラフになります。

大項目ごとに仕切りができたグラフのイメージ

少々手間がかかりますが、こうした比較をしたい場合や、例えば「貸借対照表」を作成したい場合などもこの方法で作成することができます。

貸借対照表は、自社の資産状況をあらわした表で、左側に資産、右側に負債と資本があり、それぞれ中身を積み上げたグラフと同じ構造です。

例えば、下図のように「資産」と「負債・純資産」の値は行を分けてそれぞれ入力し、タイトル列を2つ設けて表を作成します。

貸借対照表のもとデータの表のイメージ

同様にグラフにして、各系列の順番の入れ替えや、データラベルを表示させたりといった細かい体裁を整えると、貸借対照表を作成することができます。

Excelで作成した貸借対照表のイメージ

このように貸借対照表のようなグラフまで作成できるスキルが身につくと、一般的なグラフはすべて作成できると言ってよいと思います。

ただし、このグラフ作成方法で作成した表は、表として不完全です。あくまで、グラフのためだけの表になってしまうので、その点は注意してください。

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2018年9月11日
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