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論文の作成(2) ~ ヘッダー・フッターと改ページ ~
本項は、前項で作成した例題10と課題15を流用して、ヘッダーとフッターの挿入を主に学習を進めて行きたいと思います。
したがって、本項では文書の「作成」に重きを置くのではなく、ヘッダーとフッターとは何か、改ページはどのように行うのかといった、「操作」に重点を置いて解説します。
前項で、基礎は9割方習得できていると解説しましたが、残りの1割が本項のベッダーとフッターになります。本項のみで1割を占めるのかとご批判を受けそうですが、ヘッダーとフッターは頻繁ではないにしろ、折に触れて使用機会のある機能です。
また、使い方によっては応用が効き、Excelなどの他のアプリケーションソフトでも備わっている機能なので、独立した項として解説することにしました。その意味で、基礎というよりも応用に近い操作と言えます。
改ページはおまけ的なものですが、操作を知っているのと知っていないのとでは、大きな違いがある機能になります。
改ページとは、新たに白紙のページを挿入してページ追加する機能ですが、「Enter」キーで改行を続けていくと、自動的にページは挿入されるものの、それでは手間もかかり見栄えも良くありません。思い立った行で、スパッと改ページする操作を知っておくと思いのほか便利なものです。
では、両者を解説して行きましょう。まず、ヘッダーとフッターとは何かと言うと、
ヘッダーはページの上、フッターはページの下の余白部分
を指す用語になります。つまり、ページ上下の「余白」に何かを挿入することができるというわけです。まず用語として、ヘッダーとフッターはセットで覚えておきましょう。
上図がヘッダー部分で、下図がフッター部分になります。
さて、ヘッダーとフッターに「何か」を挿入するとは言っても、あくまで余白ですので、あまり大きなものは挿入することができません。最長でも数行までの短文になります。
それならば、何もそんな機能を使わなくても、テキストボックスを使えば良いのではと思われるかもしれませんが、ヘッダーとフッターを使用することには大きなメリットがあります。それは、
全てのページに同じ内容を表示させることができる
ということです。つまり、複数ページに及ぶ文書を作成した場合、最初のページのヘッダーもしくはフッターに挿入した文章等が、全てのページに反映されるというわけです。
では、実際に何を挿入するのかというと、最も代表的なものが「ページ番号」になります。ページ番号を挿入すると、全てのページに自動的に連番が割り振られます。
自動でページ番号がカウントされて挿入されるわけですから、至って便利な機能です。全ページにテキストボックスでページ番号を入力する労力とは比べ物になりません。
また、縦書き横書きに関係なく挿入でき、ページ番号や文章以外にも、日付、イラストなどを挿入することもできます。
複数ページの文書を作成する場合などでページ番号を、資料等を作成する場合などで会社名やロゴ等を挿入するのが一般的です。
ただし注意点として、
ヘッダー、フッター部分に割り当てられている領域は、余白のページ設定によって増減しない
ので、ページ設定で余白を小さく設定してしまうと、ヘッダーとフッターの部分と本文部分が重なってしまい、本文とヘッダーまたはフッターの文字が重なってしまうので注意が必要です。
しかし、これは作成段階で調整するものですので、ヘッダーもしくはフッターを挿入する場合、余白は「何mm以上に設定しなければならない」というものではありません。
では、同様に下の「例題11」を印刷、もしくは画面で表示しながら作成して行きましょう。
例題11 | 文字方向:縦書き/印刷の向き:横 余白:上30、左25、右25、下30 にページ設定 文字数:40、行数:40 フォント:MS明朝 |
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例題11は、前項の例題10の「フッター」にページ番号を追加しただけです。
まず、フッター(およびヘッダー)に何かを挿入するには、フッター(およびヘッダー)の編集画面に切り替える必要があります。
通常であれば、「挿入」タブの「フッター」(もしくは「ヘッダー」)ボタンをクリックして、「フッターの編集」を選択します。
すると、画面が本項先頭にあるようなヘッダーとフッターの編集画面になります。(他にも、フッターならフッター部分を、ヘッダーなら部分をダブルクリックすると、同じ編集画面に切り替わります)
この状態で編集するわけですが、挿入する対象が「ページ番号」の場合は、専用のボタンを用意してくれています。
したがって、ページ番号を挿入するには、ヘッダーとフッターの編集画面に切り替えることなく、同タブの「ページ番号」ボタンをクリックで挿入することができます。
今回は、「ページの下部」を選択し、「番号のみ2」を選択します。
これで、ページ番号が挿入されました。以後、何ページ追加しても自動的にフッターにページ番号を振ってくれるようになります。
そして今回は、挿入されたページ番号の書式を変更してみます。同ボタンより「ページ番号の書式設定」を選択し、番号書式を例題と同様の書式を選択して「OK」ボタンをクリックします。
すると、ページ番号の書式が変更されました。書式も全ページに反映されます。(全ページに反映させたくない場合などは設定によって指定することができますが、詳しくは応用編で解説します)
最後に、ページ番号の位置を変更します。フッターの中身(挿入したページ番号等)の位置を変更するには、同様に「フッターの編集」より画面を切り替えて編集します。
挿入したページ番号が本文近くに表示されているので、ページ番号の位置をもう少し下に移動させてみましょう。フッター位置のレイアウトを調整するには、「デザイン」タブの「下からのフッター位置」に任意の値を指定して上下位置を調整します。
下からのフッター位置を「10mm」に変更します。
ページ番号の位置がページ下に移動しました。これで完成です。フッター(ヘッダー)の編集を解除するには、「ヘッダーとフッターを閉じる」ボタンをクリックするか、本文部分をダブルクリックすると本文の編集画面に切り替わります。
少し補足をしますと、開始ページ番号は任意の数に設定することもできます。例えば「5」ページから開始するといったことも可能です。
ページの開始番号を変更するには、同「ページ番号の書式設定」ウィンドウで、「開始番号」に任意の値を指定して変更します。
以上で例題は終了です。では下記の練習問題を作成してみてください。これができたら次項へすすみましょう。
課題16 | 文字方向:縦書き/印刷の向き:横 余白:上30、左25、右25、下30 にページ設定 文字数:40、行数:40 フォント:MS明朝 |
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課題16は、ヘッダーも追加されています。ヘッダーの編集はもうおわかりのとおり、「挿入」タブの「ヘッダー」ボタンより行います。
「知恵の泉~」を入力し、「知恵の泉」部分を太字に装飾します。ヘッダー位置は、「デザイン」タブの「上からのヘッダー位置」を「15mm」に指定します。
同様にフッターも入力し、「下からのフッター位置」を「10mm」に指定して完成です。
さて、課題16の場合、ページ追加して複数ページになった場合はどうでしょうか? フッターは氏名と学籍番号ですので問題ないでしょうが、ヘッダーは参考資料の引用元を記載しているため、全ページに表示されても意味がありません。
また、あるページのヘッダー(およびフッター)のみ変更したい場合など、全ページに反映されてしまっては困る場合があると思います。
指定したページのみ表示させる、またはあるページのみ修正するには、ヘッダー(およびフッター)の「結合」を解除する必要があります。
つまり、Wordでは全ページのヘッダー(およびフッター)がリンクしている状態であり、まずそれを解除しなければ、ページごとに設定することはできません。
結合の解除は、単純に解除するというイメージではなく、全体を複数のグループに「分割」するというイメージになります。例えば、1~2ページはグループA、3~4はグループB、5以降はグループCという感じです。
こうしたグループのことをWordでは、
セクション
と言います。セクションに区切ることで、ヘッダーやフッターのみではなく、例えば、あるセクションは「縦書き」、あるセクションは「横書き」といった柔軟な設定が可能となります。
ただし、セクションについては、操作方法や内容等を含めて明らかに「応用操作」になりますので、本項では割愛し、「改ページ」のみの解説に留めておきます。
現時点では、セクションに区切ることによって、セクションごとに他のセクションに反映されない設定をすることが可能になると覚えておいてください。(セクションについて詳しくは、応用操作 で解説します)
さて、それでは「改ページ」の方法を学習して本項は終了です。改ページの方法はとても簡単です。
改ページしたい箇所にカーソルを置いた状態で、「ページレイアウト」タブの「区切り」ボタンより、「改ページ」を選択します。
すると、カーソルの部分より改ページとなります。また、さらに簡単な方法として、「Ctrl」+「Enter」キーで改ページする方法があります。
いずれも、「Enter」キーを連打して改ページを行う必要はありません。
更新履歴
- 2010年3月16日
- ページを公開。
- 2014年5月30日
- 内容修正。
- 2018年1月5日
- ページをSSL化によりHTTPSに対応。
参考文献・ウェブサイト
当ページの作成にあたり、以下の文献およびウェブサイトを参考にさせていただきました。
- 文献
- なし
- ウェブサイト
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