デスクトップとは
- 著者:YAMANJO
- 公開日:2008年7月9日
- 最終更新日:2024年11月28日
OSはファイルをディレクトリ(フォルダ)で管理していますが、エクスプローラ表示では「デスクトップ」や「PC」といったフォルダが上位に表示されています。これらのアイコンや画面の意味を理解していきましょう。
デスクトップとは
パソコンを操作するときは、まず初めにデスクトップ画面で操作を行います。アイコンをクリックしてアプリケーションソフトを起動させたり、フォルダを展開してファイルを開いて操作を始めます。
前項で、フォルダとディレクトリの違いについて学習しました。ユーザーが作成する視覚的な管理ツールが「フォルダ」で、OSが作成する物理的な管理ツールが「ディレクトリ」です。
したがって、すべてのファイルはディレクトリ内になければなりません。デスクトップに保存しているフォルダやファイルは一体どこに保存されているのでしょうか?
すでにおわかりかもしれませんが、本項ではデスクトップについて理解を深めていきたいと思います。
デスクトップ画面は、パソコンを起動すると必ず表示される重要な画面です。まずそこから操作がスタートします。
例えば、マウスによってアイコンをクリックしてアプリケーションソフトを起動します。まさにGUIの真骨頂です。こうした機能もユーザーインターフェースを提供するOSの役割のひとつです。
したがって、デスクトップの大きな役割はユーザーインターフェースとして、ユーザーが操作しやすい環境を整えることです。デスクトップがなかったら、CUIに逆戻りするかもしれません。(GUIとCUIについて詳しくは、OSの役割 を参照してください)
しかし、それだけではありません。
デスクトップの名前のとおり、Windowsが仮想的に「机」として用意しているものです。机に見立てて、ファイルやアプリケーションソフトを置いて作業を整理することができ、並べて表示、操作することで効率的な作業が可能となっています。
また、デスクトップにファイルやアプリケーションソフトを並べることで、そこから素早くアクセスすることが可能になります。いちいち実行ファイルを階層から探す必要はなく、デスクトップのアイコンをクリックするだけで起動し、すぐ作業を始めることができます。
さらに、起動時に必ず表示されることで、デスクトップというひとつの「入り口」の役割を果たしています。つまり、入口を一本化することで初心者にも扱いやすくなっています。
これらをまとめると、
ディレクトリ構造を理解していないユーザーでも視覚的に操作できるようにしている
ということです。
デスクトップのような机がなかったら、アプリケーションソフトやフォルダを並べておくことができず、それぞれが保存されている階層のフォルダまで探しに行かなければなりません。デスクトップにあるアイコンやスタートメニューなどのおかげで、ユーザーはワンクリックでそれらを開くことができます。
ただし、デスクトップがディレクトリ構造を完全に隠すわけではありません。デスクトップの裏側ではディレクトリ構造に基づいて管理されているため、デスクトップ上のファイルを整理する際には、フォルダ階層の操作が必要になる場合があります。
あくまで「机」というイメージをユーザーに提供しているだけで、実際には、デスクトップ自体もディレクトリ構造内の特定のフォルダ(ディレクトリ)に対応しています。
したがって、
デスクトップも数あるフォルダの中のひとつ
になります。
特定のフォルダの中身をテスクトップとして表示させているだけなのです。デスクトップは「作業のための机」として機能しますが、その他のフォルダと同じくファイルシステム内に存在するひとつのフォルダであり、そこで管理されているファイルも他の場所にあるファイルと同じように取り扱われます。
そのため、デスクトップフォルダを変更することも可能です。下図は「デスクトップ」フォルダを右クリックして「プロパティ」を選択すると表示される画面です。
実際のデスクトップフォルダの場所が記述されています。この画面からデスクトップフォルダを変更することも可能です。
通常、デスクトップフォルダは、ルートフォルダをCドライブとした場合、Cドライブの下の「ユーザー名」フォルダの中にあります。上図のパスの「C:\Users\ユーザー名\Desktop」のような場所です。(パスについては、絶対パスと相対パス で詳しく学習します)
しかし、エクスプローラ表示すると下図のように「PC」というフォルダの下に位置づけられています。
これは前項でも少し触れましたが、通常の階層構造から外して、すぐにアクセスしやすい場所にあえて表示させているためです。つまり、本来あるべき場所ではなく、手前のわかりやすい場所に表示しているだけになります。
その理由は、
ユーザーがよく使う(ファイルをよく保存する)フォルダ
だからという単純な理由です。
そのため、デスクトップフォルダをはじめ並列表示されている「ダウンロード」、「ドキュメント」、「ピクチャ」などのフォルダも同様に特別扱いを受けているフォルダです。
あくまでユーザーの利便性への配慮であり、仕組みとしてこうなっているわけではありません。
デスクトップ以外の特別なフォルダ
デスクトップフォルダをはじめ、ダウンロード、ドキュメント、ピクチャ、ビデオといったフォルダも同様に、目立つところに表示された特別なフォルダです。
これらの親フォルダとして「PC」というフォルダが表示されていますが、実際のルートフォルダは「Windows(C:)」です。あたかもルートフォルダのように表示されており、文字どおりPC全体を表しているようですが、実際のディレクトリ構造とは異なります。
そのため、
「PC」は実体のないフォルダ
になります。
まさにPC全体をイメージして、ユーザーがコンピュータ内の異なるストレージやフォルダに、効率的にアクセスできるようにするための視覚的なインターフェースにすぎません。
同様に「ネットワーク」も「ごみ箱」も実体のない仮想的なフォルダです。すべてユーザーが使いやすくするための配慮ですが、逆に階層構造を理解するのがややこしくなっています。
このように実体のない階層やアイコンを作り上げて、そのなかで感覚的に操作してもらうことで操作性を高めています。逆に言えば、GUIの本質とも言えます。
具体的な用途として、「PC」はパソコン内の機器やフォルダに素早くアクセスするために、PC全体をイメージして、Cドライブなどの主要な装置やフォルダをまとめて表示しています。
また「ネットワーク」はネットワーク接続されたPCなどの端末をまとめて表示するもので、「ゴミ箱」は削除したファイルをまとめて専用フォルダのように表示します。しかし、実体はその場所に「ゴミ箱」フォルダがあるわけではなく、仮想的に削除したファイルをまとめて表示しているだけです。
少し専門的になりますが、「ゴミ箱」の実体は、実際にある「$Recycle.Bin」という特別なフォルダ(隠しフォルダになっていて通常は見えないフォルダ)をまとめて1つのフォルダのように表示します。
具体的に言えば「$Recycle.Bin」フォルダはドライブごとに存在します。例えば、CドライブとDドライブがあれば2つ存在することになります。「ゴミ箱」はこれらをまとめて仮想的なビューをユーザーに提供しています。つまり、ゴミ箱は1つという直感的な操作をサポートしています。
このように、Windowsは仮想的なフォルダをいくつも用意しています。おかげで、目的のファイルやプログラムをそれぞれ別の階層から探す必要がなくなり、操作を効率的に行うことができます。
さらに言えば、
スタートメニューもフォルダ
になります。
スタートメニューの階層は、Windowsのバージョンによって異なりますが、かなり深い階層に「Start Menu」フォルダがあります。
スタートメニューと同じアプリケーションソフトのアイコン(ショートカット)が保存されていて、それをクリックするとアプリケーションソフトが起動します。
これもWindowsがユーザーに操作しやすいように、スタートメニューという形式で提供しているものです。しかし、スタートメニューもデスクトップも、もとのフォルダの中身を視覚的に整理し、わかりやすいようにビジュアルを工夫して提供しているだけなのです。
更新履歴
- 2008年7月9日
- ページを公開。
- 2009年3月21日
- ページをXHTML1.0とCSS2.1で、Web標準化。レイアウト変更。
- 2018年1月24日
- ページをSSL化によりHTTPSに対応。
- 2024年11月28日
- 内容修正。
著者プロフィール
YAMANJO(やまんじょ)
- 経歴
- 岡山県出身、1980年生まれ(申年)の♂です。現在、総合病院で電子カルテなどの情報システム担当SEとして勤務。医療情報学が専門ですが、ネットワーク保守からプリンタの紙詰まり、救急車の運転手までこなしています。
- 医療情報技師、日本DMAT隊員。ITパスポート、シスアドなど、資格もろもろ。
- 趣味は近所の大衆居酒屋で飲むこと、作曲(ボカロP)、ダイビング。
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