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LAN・WANとインターネットの違い

  • 著者:YAMANJO
  • 公開日:2008年7月25日
  • 最終更新日:2025年3月6日

インターネットとは何か、WANとインターネットの違いについて学習していきましょう。

インターネットとWANの違い

前項で学習のとおり、ネットワークは範囲で分類されることが多く、もっとも小さいネットワークは数メートルを範囲とする「PAN」、次に同一建物を範囲とする「LAN」、その次に都市インフラなどの都市を範囲とする「MAN」、そして異なるエリアのLAN同士を接続する「WAN」に分類することができます。

WANになると、数キロ離れたエリアのLAN同士を接続する場合もあれば、世界的な規模でWANを構築する場合もあります。また、MANはWANに含まれることも多いため、WANがもっとも大きな範囲のネットワークということになります。

しかし、誰もが知る世界最大のネットワークはインターネットです。インターネットは、世界中のネットワークを相互に接続したワールドワイドなネットワークです。

WANも世界規模なネットワークになるケースがありますが、インターネットと比較するとその規模は小さくなります。インターネットは世界中のどこでも利用できるほどに張り巡らされたネットワークだからです。

では、インターネットとWANの違いは、こうした規模感だけなのでしょうか?

WANはLANの拡張版であり、基本的な仕組みはLANと同じです。LANは、特定のエリアで特定の人だけが利用できるネットワークであるため、WANも特定の人しか利用することができません。

したがって、

WANは閉じたネットワークで、インターネットは開かれたネットワーク

ということになります。

例えば、同じ学校の学生や同じ会社の社員でなければ利用できないネットワークがWANで、誰でも利用できるネットワークがインターネットになります。

WANには「管理者」がいて、そのネットワークの通信ルールの設定や不正アクセスの監視などを行いますが、インターネットにはそういった管理者は存在しません。(規格策定のための公的な団体は存在します)

また、WANの管理者は前項で学習したイーサネットのように、いくつかある規格の中からそのネットワークに適したものを自由に選択することができ、ユーザーにIDやパスワードを付与して利用者を管理します。しかし、インターネットでは、基本的な通信規格を変更することはできず、すべてのユーザーを管理することもできません。

つまり、インターネットには基本的な通信ルールが存在し、それにしたがって接続する必要はあるものの、管理者が存在しないため、利用は自己責任というオープンなネットワークになります。

インターネットの基本的な通信ルールについては順を追って学習していきますが、例えば、通信の規格である「プロトコル」や、コンピュータ個別の識別番号である「IPアドレス」の割り当てといったルールに従わないとインターネットに接続することはできません。管理者の存在しないインターネットでは、標準ルールに従うことで誰もが利用できるようになっています。

一方、LANやWANには管理者が存在し、責任はそのネットワークを構築した組織の責任者に帰属します。限られたユーザーが限られた権限の中で利用するクローズなネットワークになります。

LANやWANでは、プロトコルやIPアドレスもある程度自由に設定できるため、WANを構築するときに、LAN同士のプロトコルが異なったり、IPアドレスが重なったりして通信できないことがあります。そのため、管理者はしっかりとしたルール作りが必要になります。

ただ、逆に言えばLANやWANもインターネットのルールに従って構築すれば、インターネットと同じネットワーク形態となり、LANやWANからインターネットに接続することが可能になります。実際は、こうした形態がほとんどです。

そうなると、インターネットとWANは異なると言えるでしょうか?

答えは、YesでありNoでもあります。

ややこしいですが、明確に定義できるものではなく、見方によってYesともNoとも言えるのです。インターネットに接続されたLANやWANは、インターネットのルールに合わせたプロトコルやIPアドレスを設定しているので、WANの発展系がインターネットであると言うこともできます。

しかし、WANが閉じたネットワークであることには変わりありません。なぜなら、インターネット側からLANやWANのネットワークを利用することはできないからです。

通常、インターネットとLANとの境界にファイアウォールなどの防御壁を設置して外部(インターネット側)からの不正なアクセスを防止しています。いくらLANやWANがインターネットとつながっていたとしても、閉じたネットワークであることに変わりないのです。

一方、インターネットの概念は、どんなユーザーでも自由に利用できる開かれたネットワークであり、あらゆるデータがそのネットワークを流れていきます。そういった見方をすれば「Yes(異なる)」と言えます。

ところが、ここで「No(同じ)」になるWANがでてくるのです。

インターネットに含まれるWAN

インターネットと同じWANとは、WANのネットワークを解放し、インターネットのデータ通信の一部を担っているケースです。

これは、ビジネスとしてWANのネットワークを貸し出し、利用料を得ている場合などです。つまり、インターネットの一部として機能するWANが存在するわけです。

こうなると、WANがインターネットと異なるネットワークとは言えません。実際は、こうしたWANがインターネットを支えています。

インターネットのネットワークは国境をまたぎ、世界中に広がっています。日本からは海底ケーブルが何本も敷かれ、そこを通ってデータは海外とやり取りされます。

ケーブルを設置した業者はボランティアでやっているわけではありません。さまざまな契約によって、データはいろいろなネットワークを利用させてもらいながら世界中を行き交っていることになります。

このように、インターネットに含まれるWANがあり、含まれないWANがあります。そのため、インターネットが開かれたネットワークであることに変わりありませんが、開かれた閉じたという定義ですべて区別することはできません。

インターネットは、

インフラストラクチャー(公共的な社会基盤)

として機能しているからです。

インターネットを前提として様々なサービスが提供されるようになり、いつでもどこでもつながるインターネットが公的なインフラとして、人々の生活に浸透する時代になっています。

そう考えると、おぼろげながらインターネットの全体像が見えてくるのではないでしょうか。

見方によって違いを見出すことは可能ですが、大きな視点に立つと、LANやWANもインターネットを構成する一部と言えます。国道と私道の違いはあっても、とちらも道路であることに変わりはないのです。

インターネットには固有の管理者がいるわけではありません。参加する全員が意見を出し合ってつくり上げてきた、国境も人種もない人類ためのインフラなのです。

また、単にウェブサイトを見るためだけのものでもありません。ウェブはインターネットというインフラが生み出したサービスのひとつになります。これまで、ウェブのみならず様々なサービスが発明され発展してきました。

その他の具体的なサービスは次項以降で学習していきますが、ウェブの場合、ウェブサイトのファイルは、一般的にその企業のLANやWANの中に保存されているわけではありません。

インターネット上に保存してそこにアクセスしてもらう

ことで情報やサービスを提供しています。

正確には、インターネットに接続されたサーバコンピュータというウェブ配信専用の高性能コンピュータに保存して公開されていますが、そのファイルの住所にあたるものが「アドレス」になります。これが、URLまたはURIと呼ばれるものです。

またインターネットでは、異なる場所(サーバ)に保存してあるファイルを簡単に結びつけることができます。それが「ハイパーリンク」という技術です。ハイパーリンクは、URLを打ち込まなくてもクリックするだけでファイルに移動することができます。

こうした技術により、ファイルを1ヶ所にまとめて保管しておく必要がなく、ネットワーク上に分散して保存することが可能になっています。この分散処理の仕組みがインターネットでは大変重要です。

初期のコンピュータシステムでは、論文などの文書ファイルを1つのサーバに集中して保存するのが一般的でした。そのため、サーバに負荷がかかり、処理速度の遅延や障害の発生などによって、分散保存の必要性が出てきました。そこで、分散した情報を効率よく結びつける技術として活用されたのがハイパーリンクです。

そして、ハイパーリンクの利便性によってインターネットは拡大していくことになります。技術革新は今も止まるところを知らず、社会基盤として、あらゆる電子機器がインターネットとつながることを前提に開発されるまでになっています。

インターネットに接続するには

では、そもそもインターネットに接続するには、どうしたらいいのでしょうか?

いくら世界中に広がっているといっても、自動的につながるわけではありません。スマートフォンなどでは自動的につながっているように錯覚しがちですが、接続するための契約や設定が必要です。

基本的には、

インターネット サービス プロバイダ(ISP

と呼ばれるインターネット接続業者と契約する必要があります。

ISPは、インターネットへの接続を代行して行う業者で、単に「プロバイダ」とも呼ばれます。ISPの仲介なしに、個人がインターネットに接続することは、現実的にはほぼ不可能です。インターネットの接続に必要なIPアドレスなどの情報は、基本的にプロバイダしか取得することができません。

ISPは何社もあり、さまざまな料金プランやサービスを展開しています。サービスとは、インターネット接続のほか、メールアドレスの提供やウイルス対策などのセキュリティーサービス、オンラインストレージの提供などです。

ただし、ISPと契約しただけではインターネットに接続することはできません。なぜなら、NTTなどの回線事業者が提供する通信回線を利用しなければならないからです。

例えば、家庭に光ファイバーが引き込まれている場合、その光回線を利用してインターネットに接続しますが、光回線がない場合は他の回線で接続することになります。つまり、インターネットへの接続手段は複数あり、光ファイバー以外にも電話回線やケーブルテレビ、無線などが利用できるわけです。

重要なのは、回線事業者とISPが別の業者である点です。ISPが回線を敷設するわけではありません。

ISPは、接続のためのIDやパスワードといった接続情報を提供し、パソコンなどの接続機器にIPアドレスを割り当てます。そのため、利用する回線事業者とのインターネット契約と、インターネットへの接続情報を取得するためのISPとの契約が必要になります。

スマートフォンなどのモバイル端末による無線接続の場合は、ドコモ、au、ソフトバンクといった自社の通信設備(基地局)を持つキャリアの電波を利用してインターネットに接続します。

この場合は、契約しているキャリアや、キャリア回線を借りてサービスを提供する事業者(MVNO)が、プロバイダの役割も兼ねて接続を代行しています。そのため、回線事業者とISPが一体化している場合が多いですが、基本的にISPと回線事業者は異なることを理解しておきましょう。(接続の仕組みやMVNOについては、ブロードバンドの種類 で詳しく学習します)

ややこしいところですが、例えば、NTT(回線事業者)とインターネット契約をして、NTTコミュニケーションズ(ISP)とプロバイダ契約をすることでインターネットを利用できるようになります。

通信回線を提供する契約(インターネット接続のための物理的回線)と、インターネット接続のための契約(接続のための認証情報)が必要になるということです。(一般的な接続方法については、インターネットへの接続(1) を参照してください)

ただし、ISPも独自の回線や光ケーブルなどのインフラ整備をすすめている場合があり、回線事業者とISPが一体化しているケースも増えているので、なかなか理解が難しいところです。

大手ISPは「バックボーン」という専用回線を整備しています。これは、家庭からISPまでの回線ではなく、ISP同士の間で敷設されたインターネットの通信を支える大容量の通信インフラです。

つまり、多くのデータが集中して流れるネットワークの基幹部分です。ISP間といっても、国内、国外を問わず、またISP間に限定されているわけでもありません。

先述した海底ケーブルもそのひとつです。これらのバックボーンを利用することで我々ユーザーはインターネットを快適に利用することができるのです。そのため、プロバイダを選ぶ目安のひとつとしてバックボーンの信頼性をあげることもできます。

バックボーンによって接続されたネットワークがインターネットの一部となるWANです。ISPや回線事業者のWANになりますが、これをインターネットのユーザーが利用しています。

更新履歴

2008年7月25日
ページを公開。
2009年4月22日
ページをXHTML1.0とCSS2.1で、Web標準化。レイアウト変更。
2018年1月26日
ページをSSL化によりHTTPSに対応。
2025年3月6日
内容修正。

著者プロフィール

YAMANJO(やまんじょ)

経歴
岡山県出身、1980年生まれ(申年)の♂です。現在、総合病院で電子カルテなどの情報システム担当SEとして勤務。医療情報学が専門ですが、ネットワーク保守からプリンタの紙詰まり、救急車の運転手までこなしています。
医療情報技師、日本DMAT隊員。ITパスポート、シスアドなど、資格もろもろ。
趣味は近所の大衆居酒屋で飲むこと、作曲(ボカロP)、ダイビング。
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