メールの整理(1)~ フォルダの作成と自動振り分け ~

ールをビジネスで活用するちに、受信したメールの数が増えてきて、受信トレイから目的のメールを探すのにも苦労するようになります。

そこで、本項では増えていくメールの検索と整理の仕方について学習していきたいと思います。

受診トレイにメールがどんどん増えてくると、スクロールしなければ表示できなくなります。

こうなると、例えば「スピードワゴン財団」から来たメールを見ようと思った場合、スクロールしながらひとつひとつ目で探すのは大変になってきます。 

目的のメールを見つける方法はいくつかありますが、確実なのは「キーワード検索」です。

下図のとおり、画面上部の検索ボックスにキーワードを入力すると、キーワードを含む差出人やメールを抽出することができます。

キーワードでメッセージの検索をするイメージ

また、メールの並べ替えをする方法もあります。

通常は、「日付新しいアイテム」の順、日時が現在に近いほうが上に表示されるようになっていますが、この部分をクリックすると、「日付の古いアイテム」の順、過去日のメールを上位に表示させることができます。

並びを「日付の古いアイテム」に変更したイメージ

ただし、このボタンによる並び替えの変更は、メール全体の順序を逆にするだけであり、それほど効果的な検索方法ではありません。

もう少し細かく並び替えを行うには、下図のとおり「日付」という文字の部分をクリックします。

「日付」ボタンのイメージ

並び替えの項目が表示されます。このメニュー項目で並び替えることができます。

通常は「日付」が選択されていますが、例えば「差出人」を選択すれば、差出人の「昇順」もしくは「降順」で並び替えることができます。

「差出人」で並び替えたイメージ

すると、差出人ごとにまとまるので探しやすくなります。

また、この並び替えメニュー以外にも便利な機能があります。

スレッド表示

スレッドとは、インターネットの掲示板で言う「話題ごとのまとまり」のことで、メールを「話題」別に「まとめて」表示する機能になります。

基本的には「件名」から、Outlookが関連するメールをまとめて(グループ化して)表示します。

返信や転送メールもまとめてくれるので、どういうやりとりをしていたのか把握したり、やり取りの中に埋もれたメールを探すのに役立ちます。

スレッド表示するには、「表示」タブの「スレッドとして表示」にチェックを入れます。

「表示」タブのイメージ

すると、「メッセージをスレッド別に整理して表示する」というメッセージが表示されます。

「メッセージをスレッド別に整理して表示する」というメッセージ

選択しているフォルダのみ表示を切り替える場合は「このフォルダー」、すべてのフォルダーを対象にする場合は「すべてのメールボックス」を選択します。

フォルダの追加については後述しますが、通常は受信トレイのみで良いので「このフォルダー」を選択します。すると、下図のように、スレッドごとにメールがまとまります。

「スレッドとして表示」に切り替えたイメージ

まとまったスレッドには「三角マーク」が左側に表示されています。クリックすると、まとまったメールを展開することができます。

グループ化されたメールを展開したイメージ

このように、グループ化するとそのスレッドの流れを簡単に把握することができます。そのため、こちらからの送信メールも薄い灰色で表示されます。

ただし、「件名」を変えずにそのままやりとりを続けていれば問題ありませんが、

「件名」を途中で変えてしまうとグループ化されない(異なるスレッドになる)

ので、注意が必要です。

同じグループにあると思っていた大事なメールが、他のスレッドにまとめられていて見落としてしまったということがないように気をつけましょう。

またこれは、「日付」メニューの中の「件名」を選択して並び替えた場合と似ています。

「件名」で並び替えたイメージ

ただし、「件名」で並び替えた場合は、送信メールは表示されません。

いずれにしても、これらの方法はただ並び替えるというだけの機能です。メールが数百件もたまってくると、やはり探すのに苦労します。

そこで、Windowsのフォルダ管理のように、メールを別々のフォルダにまとめて保存しておくとすっきりして探しやすくなります。(フォルダについて詳しくは、基礎知識編の ファイル管理 を参照してください)

メーリングリストを作成する で学習した連絡先グループのフォルダ追加と同じで、受診したメールについてもフォルダを作成して整理することができます。

フォルダを作成するには、フォルダを作成したいアカウント(アカウントについては、Outlookの設定 を参照してください)を選択した状態で、「フォルダー」タブの「新しいフォルダー」ボタンをクリックします。

「フォルダー」タブの「新しいフォルダー」ボタンのイメージ

または、アカウントを右クリックして、メニューより「フォルダーの作成」を選択すると、フォルダーの名前入力欄が表示されます。

アカウントにフォルダが作成されたイメージ

任意の名称をテキストボックスに入力してEnterキーで確定すると、新しいフォルダが作成されます。

複数のフォルダが作成されたイメージ

フォルダの位置を変えたい場合は、マウスのドラッグ&ドロップで並べ替えることができます。

フォルダをドラッグして移動しているイメージ

作成したフォルダにメールを移すには、移したいメールを選択した状態で、「ホーム」タブの「移動」ボタンより作成したフォルダを選択します。

「ホーム」タブの「移動」ボタンのイメージ

もしくは、右クリックメニューの「移動」からもフォルダを選択することができます。

また、もっとも手っ取り早い方法は、メッセージをドラッグ&ドロップで移動させることができます。メールをドラッグして、任意のフォルダの上でドロップします。

メッセージをフォルダに移動しているイメージ

この方法は、複数のメールをまとめて移動させるときに便利です。「Shift」キーや「Ctrl」キーで複数のメールを選択した状態でドラッグ&ドロップすることで、まとめて移動できます。

ただし、このようにメッセージを別のフォルダに移動した場合は、

「受診トレイ」にメッセージのコピーは残らない

ので注意が必要です。削除すると、どこにもなくなってしまいますので十分に気をつけましょう。

また、フォルダは階層構造にすることもできます。

階層構造にしたい場合は、そのフォルダを選択した状態で、同様に「新しいフォルダー」ボタン、もしくは右クリックメニューの「フォルダーの作成」からフォルダを作成します。

すると、下図のようにフォルダの中にフォルダの入れ子をつくることができます。

階層構造のフォルダを作成したイメージ

ただし、階層構造にするほど細かくフォルダを作成してしまうと、余計に探しにくくなったり、整理するのがわずらわしくなってきますので、あまり作り込みすぎないようにしましょう。

フォルダ名の変更やフォルダの削除は、「フォルダー」タブもしくは右クリックメニューから行うことができます。

「フォルダー」タブのイメージ

このようにフォルダ管理することで、増えてくるメールもわかりやすく整理することができます。

ただ、届いたメールをその都度フォルダに移動させなければならず、忘れてしまうと後から振り分けるのも大変な作業になってきます。

そこで、

受信したメールを指定するフォルダへ自動的に振り分ける

という自動振り分け機能を設定することができます。

これはOutlookに限らず、たいていのメーラーにある機能になりますが、その方法はなかなか面白くて奥が深いものです。少々応用的な操作になりますが、ここで学習しておきましょう。

メールを自動的に振り分けるといっても、何もしないのに勝手にメーラーが判断して振り分けてくれるわけではありません。

将来的にそんな機能が生まれるかもしれませんが、現在のところ、振り分けの「ルール」を設定してやる必要があります。メーラーはそのルールに従ってメールを振り分けるのです。

ルールを設定するには、アカウントを選択した状態で「ホーム」タブの「ルール」ボタンから「仕分けルールと通知の管理」を選択します。

「ホーム」タブの「ルール」ボタンのイメージ

「仕分けルールの作成」がグレーアウトしているのは、特定のメールの情報を利用してルールを作成する場合に選択する機能だからです。後述しますが、特定のメールを選択している状態や、受診トレイ等のフォルダを選択している場合(フォルダの一番上のメールが選択状態になっている)に、選択できるようになります。

「仕分けルールと通知の管理」を選択すると、「仕分けルールと通知」画面が立ち上がります。

「仕分けルールと通知」画面のイメージ

この画面でルールを管理、編集していきます。ルールを作成していないので、何もルールが設定されていません。まずはルールを作成する必要があります。

「新しい仕分けルール」をクリックすると、「自動仕分けウィザード」が起動します。

「自動仕分けウィザード」画面のイメージ

ウィザードとは、ガイダンス(ステップ)にそって進めていくと処理や設定が完了する仕組みのことです。すでにテンプレートがいくつもあり、設定したいルールに近いものを選択して進めます。

メッセージの整理

基本的には、送信したメールや受信したメールを指定したフォルダに移動するというルールのテンプレートです。

フォルダ整理で多くの場合は、「特定の人」からのメールや「特定の件名」等のメールを自動的に振り分けるという用途が多いので、上2つのテンプレートの利用が最も多いと思われます。

情報の通知

「特定の人」や「特定の件名」等のメールを受診したら、メーラーを開かずに画面に通知したり、音で知らせるというルールのテンプレートです。

新しい仕分けルールを作成する

テンプレートというより、「受信メール」と「送信メール」に対して、一からルールを組み上げる自由度の高いテンプレートになります。

この3つのカテゴリのテンプレートをもとにルールの作成を進めていきます。

難しそうですが、意味が理解できていれば非常に簡単です。

そのメールがAの件を満たす場合にBの処理をする

という設定を入れてやるだけなのです。

例えば、「『吉良吉影』からのメールは『スタンド使い関係』フォルダに自動的に仕分けたい」場合、どのようなルールを設定すれば良いでしょうか。

この場合の条件(A)は「差出人が『吉良吉影』」であり、処理(B)は「『スタンド使い関係』フォルダに移動」ということになります。

実際にやってみましょう。

まず、「ステップ1」でテンプレートを選択します。

この場合は、「特定の人から受診したメッセージをフォルダーに移動する」がそのままのテンプレートです。テンプレートを選択すると、画面下部の「ステップ2」の画面に内容が展開されます。

「自動仕分けウィザード」画面のイメージ

差出人の「名前/パブリックグループ」の部分と、フォルダの「指定」の部分がリンクになっています。

それぞれクリックして、差出人とフォルダを指定します。差出人リンクをクリックするとアドレス帳が開きます。アドレス帳から「吉良吉影」を選択します。

フォルダのリンクをクリックすると、下図の「フォルダーの選択」画面が表示されます。「スタンド使い関係」フォルダを選択します。

「フォルダーの選択」画面のイメージ

すると、リンク部分が選択した差出人とフォルダ名に変更されます。

「自動仕分けウィザード」画面のイメージ

これだけでもう条件と処理の指定ができました。この場合は次に指定するルールはないので「完了」としても良いのですが、「次へ」をクリックします。

次の画面は「ステップ1」も「ステップ2」も内容は変わらず、前の画面で設定したルールの確認になります。

「自動仕分けウィザード」画面のイメージ

修正の必要がなければ「次へ」をクリックします。

次の画面も同じに見えますが、若干変わっています。下図のように「条件を指定してください」から「処理を選択してください」に変わっています。

「自動仕分けウィザード」画面のイメージ

この画面は、処理に特化した画面になります。

しかし、処理は「指定したフォルダへ移動」というだけのはずです。それなのに、上図の「ステップ1」では「仕分けルールの処理を中止する」という処理に自動的にチェックが入っています。

さらに、「ステップ2」の画面でも「仕分けルールの処理を中止する」が勝手に付け加えられています。この処理はじつは重要な処理なので後述しますが、画面はひとまずこのままで「次へ」進みましょう。

「自動仕分けウィザード」画面のイメージ

次の画面は、また少し変わって「例外条件」を指定する画面です。特に例外を指定する必要がなければここも「次へ」で進みます。

すると、「ルールの名前」を指定する画面になります。これが最後の画面になります。

「自動仕分けウィザード」画面のイメージ

ルールの「名前」を入力して「完了」ボタンをクリックします。

すると、「仕分けルールと通知」画面に戻り、作成したルールが追加されています。

「仕分けルールと通知」画面のイメージ

これで、以後、受信するメールに作成したルールが適用されるようになります。

では次に、先述の「仕分けルールの処理を中止する」という処理について理解しておきましょう。

これはどういう処理なのかというと、

複数の条件に合致するメールに、複数の処理が実行されることを防ぐための処理

になります。

つまり、複数のルールを設定している場合に必要な処理になります。

例えば、上のルールは「『吉良吉影』からのメールは『スタンド使い関係』フォルダに移動」というルールですが、別に「本文に『海洋生物』が含まれるメールは『海洋生物関係』フォルダに移動」というルールも設定しているとします。

「自動仕分けウィザード」画面のイメージ

上図のルールはテンプレート「受信メッセージにルールを適用する」から作成することができます。

さてこの場合、吉良吉影が本文に「海洋生物」と入力したメールを送信してきたらどうなるでしょうか。

条件としては両方に合致することになります。「仕分けルールの処理を中止する」という処理がなければ、両方の処理が実行されることになります。

なんとこの場合は、「スタンド使い関係」フォルダにも「海洋生物関係」フォルダにもメールが移動します。正しくは「移動」ではなく、メールを自動的にコピーして両方のフォルダに仕分けるのです。

フォルダにメールがコピーされて振り分けられたイメージ

こうなってしまうと整理するうえで問題があります。

そのため、あるルールを適用したらその他のルールを適用しないように「仕分けルールの処理を中止する」処理が必要になるというわけです。

また、どちらかのフォルダに入るようにするには、どちらのルールを優先するのか決めなければなりません。

つまり、複数のルールを組み合わせる場合、

優先順位をつけ上位ルールが適用されたら下位ルールを適用しないようにする

必要があります。

優先順位は、下図のように「仕分けルールと通知」画面の上位に表示されるルールが優先されます。三角マークボタンで並べ替えることができます。

「仕分けルールと通知」画面のイメージ

そして、以降に処理を中止したいルールに「仕分けルールの処理を中止する」処理を加えます。これにより、優先順に処理が適用され、指定したルール以降は処理が中止されるようになります。

もっとも、ルールがひとつしかなければ「仕分けルール処理を中止する」処理は必要ないということになりますが、この処理の意味は必ず理解しておきましょう。

では次に、少し応用として、「特定の会社」のメールを特定のフォルダに振り分ける場合を考えてみましょう。

これは実際によくある例です。

アドレス帳に登録してある個人ではなく、あるプロジェクト等で「A社」とやり取りする場合、アドレス帳に登録していない複数のA社の社員からメールが来るというのはよくあります。

つまり、知らない人であっても「A社」の人からのメールは特定のフォルダ(「プロジェクトA」フォルダなど)にまとめたい場合です。この場合はどのような条件を指定すれば良いでしょうか。

こうしたケースでは、

個人の名前ではなくドメインで振り分ける

のがもっともよい方法になります。

ドメインとは、メールアドレスの「@」以降の部分で、例えば「@yahoo.co.jp」のように企業名を表していることが多いです。(ドメインについて詳しくは、基礎知識編の IPアドレスとは(1) を参照してください)

ドメインはその会社や団体が固有に取得しているもので、社員は全員同じドメインを使用します。また、他社の人間がそのドメインを使用することは考えられません。

そのため、指定するドメインから来たメールは、すべてその会社の社員から来たメールと考えてまず間違いありません。

ルールの作成は、テンプレート「受信メッセージにルールを適用する」を選択します。

条件に「差出人のアドレスに特定の文字が含まれる場合」を指定し、「@~」を直接記述することで、記述したドメインからのメールをすべて条件に入れることができます。

「自動仕分けウィザード」画面のイメージ

処理は、任意のフォルダを指定するだけです。

それでは最後に、受診したメールを利用してダイレクトにルールを作成する方法を学習しておきましょう。

条件に入れたい差出人などのメールを選択した状態で「ルール」ボタンを選択すると、「仕分けルールの作成」を選択できるようになります。

「ホーム」タブの「ルール」ボタンのイメージ

すると、「自動仕分けウィザード」画面とは異なりますが、その簡易版のような「仕分けルールの作成」画面が表示されます。

「仕分けルールの作成」画面のイメージ

メールに含まれる情報がある程度入力された状態になっています。

ここで、メールの差出人を条件にしたい場合は、「差出人が次の場合」にチェックを入れると条件を指定したことになり、任意の処理にチェックを入れると、それが処理の指定になります。

「OK」ボタンをクリックすると下図のメッセージが表示され、ルールが作成されます。(ただし、ルールの名前は編集できません)

仕分けルールの作成成功メッセージのイメージ

作成されたルールは、「仕分けルールと通知」画面に追加されています。ルール名の変更や、他にもルールがある場合は、順位の変更、処理の中止を設定します。

メールは、活用すればするほど受信するメールが増えていきます。そのため、メールの整理は重要なメールを見落としたり、忘れたりしないために非常に重要なことです。

フォルダを作成して、メールを振り分けて管理することで視覚的に見やすくなり、探しやすくなります。また、仕分けルールを設定することで効率的に整理することができます。

更新履歴

2014年8月29日
ページを公開。
2018年1月10日
ページをSSL化によりHTTPSに対応。
2020年6月17日
メールソフトをWindows LiveメールからOutlookに変更。

参考文献・ウェブサイト

当ページの作成にあたり、以下の文献およびウェブサイトを参考にさせていただきました。

文献
なし
ウェブサイト
なし