インターネットへの接続(2) ~ モデム・ONUに直接接続する ~
いろいろなインターネット接続の概要を前項で学習しましたが、基本となるのは、やはりパソコンをインターネットに接続する方法を知るということです。
パソコンで設定できるのなら、タブレットでもスマートフォンでも応用して設定できるようになります。なぜなら、パソコンでの設定には何通りも方法があり、細かい設定も可能になるため、いわば「奥が深い」からです。本項では、そこまで深く掘り下げませんが、要するに、基礎から理解していくのに適正なわけです。
本項では、一番単純な接続方法、モデムに直接パソコンをつなぐ方法を学習します。
モデムに直接パソコンをつなぐということは、前項で学習したとおり「有線」での接続となり、インターネットへの接続台数はそのパソコン「1台」が基本となります。
具体的には、ADSLであれば「ADSLモデム」、光インターネットであれば「ONU」といった業者からレンタルする装置に有線でつなぎます。
ただし、ONU内蔵のルータが設置されている場合や、NTT西日本の方で「CTU」や「HGW」が設置されている場合は、次項の設定方法となります。
このときの線、つまりケーブルは「LANケーブル」を使用します。種類は、ストレートケーブルでUTPの「カテゴリ5e」や「カテゴリ6」が用いられます。(LANケーブルについて詳しくは、LANケーブルの種類とイーサネット規格 を参照してください)
そして、設定の方法は、ADSLも光インターネットも基本的に同じです。
通常であれば、NTTや契約したプロバイダからセットアップ用のCD(ガイダンスどおりにクリックしていくと簡単に設定ができるプログラム)が送られてくる場合が多いですが、本項では、OSの機能を使う、ある意味本来の設定方法を学習していきます。
まず、契約した「プロバイダ」から送られてくる契約内容を確認しましょう。これは、封書であったり圧着はがきであったりします。
プロバイダからの書類にはいろいろ書かれていますが、基本的な要素は、
プロバイダに登録されたユーザーの基本情報、メール関係の情報、ホームページ関係の情報
の3つです。(その他のオプション契約を追加している場合を除いて)
最初のユーザーの基本情報というのは、プロバイダが構築しているインターネット接続システムを利用させてもらうための「ユーザIDとパスワード」です。
つまり、認証用の情報になります。これがなければ、インターネット網に入ることができません。もっとも重要な情報です。
次のメール情報は、メールサービスを契約した場合の(たいていセットで組み込まれていますが)、プロバイダのサーバに割り当てられた「メールアドレス」、「パスワード」、「POPサーバのアドレス」、「SMTPサーバのアドレス」などです。(詳しくは、電子メールの仕組み を参照してください)
そして、ホームページ情報というのは、ホームページの契約をした場合の、プロバイダのサーバに割り当てられた「FTPサーバのアドレス」、「パスワード」などになります。(FTPについては、インターネットのWWW以外の要素 を参照してください)
したがって、一番最初にインターネットに接続するために必要な情報は、「プロバイダのユーザーIDとパスワード」だけになります。
ただし、多くのプロバイダ契約ではこの認証情報だけでインターネットに接続することができますが、場合によっては、
DNSサーバのアドレスが指定されている場合がある
ので、注意が必要です。DNSサーバのアドレスが指定されていると、その値を別途、手入力してやる必要があります。(DNSについては、IPアドレスとは(1) を参照してください)
といっても、後述しますが設定自体は難しいものではありません。こういった設定が難しく感じるのは、IDやパスワードがいくつも書かれているため、
どこでどのIDやパスワードが必要になるのかわからない
というところだと思います。つまり、いろいろ同じような情報がありすぎて混乱してしまうというところでしょうか。
これは、頭で整理して覚えておくより方法がありませんが、前項と本項が理解できていれば何も問題ありません。ここでしっかり学習しておきましょう。
また、NTT(などの回線業者)から送られてくる書類とプロバイダから送られてくる書類は混同しがちなので、この違いもよく理解しておいてください。
NTTからの書類は、回線の契約内容であったり、インターネットにつなぐためのツール(ソフトウェア)と説明書などです。したがって、仮にこちらを紛失したとしてもインターネットに接続することは可能です。
しかし、プロバイダから送られてくる書類は、インターネットに接続するための設定内容が記されています。これを紛失するとインターネットに接続することができません。
また、この内容を他人に知られると、成りすましてインターネットやメールを利用される能性があるので、管理には十分注意してください。
さて、ではプロバイダ情報をもとに、インターネットに接続してみましょう。
モデムもしくはONUとパソコンがLANケーブルで接続されている状態だとします。当然、これだけではインターネットには接続できません。
パソコン側にプロバイダ情報を設定していきます。(以下、Windows7の画面で設定しています。OSによって画面が異なりますが、基本的な流れは同じですのでご了承ください)
まずは、「ネットワークと共有センター」の画面を開きます。(「コントロールパネル」→「ネットワークとインターネット」→「ネットワークの状態とタスクの表示」もしくは、デスクトップの「ネットワーク」アイコンを右クリック →「プロパティ」など)
画面中央の「新しい接続またはネットワークのセットアップ」をクリックします。
すると、「接続またはネットワークのセットアップ」ウィザードが起動し、「接続オプション」の選択画面になります。「インターネットに接続します」を選択して「次へ」をクリックします。
下図のように、「既にインターネットに接続しています」などの画面(表示は変わる場合があります)が表示された場合は、「新しい接続をセットアップします」を選択します。
この画面は、パソコンがネットワーク接続されていない場合、または初めて接続設定をする場合には表示されません。
次に「どのような方法で接続しますか?」という画面になります。この画面に出てくる接続方法のリストは環境によって異なりますが、「ブロードバンド(PPPoE)」を選択します。(PPPoEについては、インターネットのセキュリティ(3) を参照してください)
すると、下図のようにプロバイダの情報を入力する画面が表示されるので、ここに先ほど確認したプロバイダの認証情報を入力します。
この「接続名」は自由な名前をつけることができます。適当な名前をつけて「接続」をクリックすると、接続が開始されます。ここでは「スタープラチナ接続」と命名しました。
認証が完了すると、「ネットワークの場所の設定」画面が表示され、ネットワークの種類を選択するように促されます。
上から「ホームネットワーク」、「社内ネットワーク」、「パブリックネットワーク」の順にセキュリティが高くなります。(パブリックネットワークが一番セキュリティが高い)具体的には、ネットワーク内のパソコンが検索できなかったり、プリンタの共有などに制限がかかってきます。
ルータを間にはさまないでPPPoEで接続する場合は、セキュリティの観点から「パブリックネットワーク」を選択するのが無難です。
これで設定自体は完了ですが、もう一度、「ネットワークと共有センター」の画面を立ち上げて、画面左のメニューから「アダプター設定の変更」を選択します。
すると、ネットワーク接続の一覧が表示されます。
ここに表示されるアイコンは、それぞれのネットワーク接続(接続の種類)とそれぞれのアダプタの種類をあらわしています。
アダプタとは、パソコン内部にある、LANやインターネット等へ接続するための部品のことで、「NIC(ニック)」とか「ネットワークカード」などとも呼ばれます。
上図のように、LANでケーブル接続するなら「ローカルエリア接続」、無線通信なら「ワイヤレスネットワーク接続」などのようにいろいろな接続ごとにアダプタが存在するわけです。
アイコン上で右クリックからプロパティを選択すると、その接続のアダプタが表示されます。例えば「ローカルエリア接続」では、下図のようなアダプタになります。(アダプタの名称は機種によって異なります)
ただし、このネットワーク接続の表示はパソコンの機種によって様々です。もっとたくさんのアダプタが内蔵されている場合には同じローカルエリア接続でも複数存在しますし、無線通信のアダプタが内蔵されていない機種では、ワイヤレスネットワークのアイコンは存在しません。
ここに、先ほど作成した「スタープラチナ接続」が接続方法のひとつとして入ってきます。
上図は「切断」になっていて接続が途切れている状態ですが、インターネットへ接続する場合は、アイコンをダブルクリックします。すると、下図のような接続画面が表示されます。
このまま「接続」をクリックすれば、接続されてアイコンが灰色からカラーに変わります。この状態がインターネットに接続されたオンラインの状態となります。つまり、ブラウザからウェブサイトを閲覧することができる状態です。
ただし、先述のDNSサーバの値が指定されている場合は、まだ作業が必要です。
DNSの値を指定するには、上図の「プロパティ」もしくは、アダプタのアイコンを右クリックの「プロパティ」から、プロパティ画面を表示させます。
そして、「ネットワーク」タブより「インターネットプロトコルバージョン4(TCP/IPv4)」を選択して「プロパティ」をクリックします。(IPv4については、IPアドレスとは(2) を参照してください)
下図のとおり、「次のDNSサーバーのアドレスを使う」にチェックマークを入れ替えて、DNSサーバの値を入力します。
これで完了です。それでもつながらないなどのトラブルがあるときは、プロバイダの書類を見直して、まだ設定箇所が残っていないかなど確認してください。
さて、このようにルータを使わないでモデム等に直つなぎをすると、上記のような「接続」の操作が毎回必要になります。(シャットダウンすると接続は切れます)
まず先に、アダプタのアイコンをダブルクリックしてプロバイダとの接続を確立させてからでないと、ブラウザを起動させてもページは表示されません。それがいちいち面倒くさいというのが欠点といえば欠点です。
対策としては、このアダプタのショートカットをデスクトップに作成しておくなどの方法がありますが、やはり近年では、ルータを用いるのがあらゆる面で適正です。
更新履歴
- 2013年7月10日
- ページを公開。
- 2018年1月6日
- ページをSSL化によりHTTPSに対応。
参考文献・ウェブサイト
当ページの作成にあたり、以下の文献およびウェブサイトを参考にさせていただきました。
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