オプション設定の変更 ~ リボンとクイックアクセスツールバー ~

Wordに限らず、ExcelやPowerPointなど、よく使うソフトウェアは、使いこなせば使いこなすほど、自分に合うようにカスタマイズしたいと思うようになってくるものです。

前項で解説したマクロにしても、基本的には作業の効率化をめざすものであり、操作の課程で「この操作が面倒くさい」、「あのボタンがあったいいな」といった要望や葛藤が生まれてくることでしょう。

そこで、本項では、Wordに配置されているさまざまなボタンに焦点を当てて、

リボンとクイックアクセスツールバー

のカスタマイズについて学習していきたいと思います。

そもそも「リボン」とは、下図のように、作業に使うツール(コマンド)が貼り付けられたタブをまとめた、画面上部の帯のことです。

Wordのリボンのイメージ

表示されていない場合は、「最小化」されています。タブのあたりで右クリックし、メニューより、「リボンの最小化」のチェックを外すと、リボンを表示することができます。

右クリックメニューのイメージ

次に、「クイックアクセスツールバー」は、下図のように、通常はリボンの上部にある小さなアイコンがおさまった部分になります。

「クイックアクセスツールバー」のイメージ

通常は、といいましたが、同様に右クリックすると、メニューの中に「クイックアクセスツールバーをリボンの下に表示」という項目があります。これを選択すると、クイックアクセスツールバーをリボンの下に表示させることもできます。

「クイックアクセスツールバー」のイメージ

クイックアクセスツールバーについては、基本操作編の 印刷 でも多少解説していますが、これらリボンやクイックアクセスツールバーは、よく使うツールのアイコンをまとめたものになります。

したがって、不要なタブを非表示にしたり、ここに表示されていないコマンドのアイコンを表示させたりといったカスタマイズが当然可能になります。まずは、リボンからカスタマイズを行ってみましょう。

同様にリボン上で右クリックして、「リボンのユーザー設定」を選択します。

右クリックメニューのイメージ

すると、「Wordのオプション」画面の「リボンのユーザー設定」画面が表示されます。

「Wordのオプション」画面のイメージ

もしくは、「ファイル」タブより「オプション」を選択し、「Wordのオプション」画面より「リボンのユーザー設定」を選択すると、同じ画面を表示することができます。

左側の「コマンドの選択」のウィンドウが、使用できるコマンドのアイコンがまとめられた一覧になり、右側の「リボンのユーザー設定」のウィンドウが、現在設定されているタブの内容になります。

まずは、現在の設定を確認してみましょう。

右側の「リボンのユーザー設定」を上から順に見ていくと、まずは最初のリストメニューで、「メインタブ」が選択された状態になっています。そのリストをクリックすると、下図のように「すべてのタブ」、「メインタブ」、「ツールのタブ」が選択できるようになっています。

「リボンのユーザー設定」のリストメニューのイメージ

このタブというのは、リボンのタブのことで、「メインタブ」は常時表示されているタブ、「ツールのタブ」は、図形やグラフなどを選択した場合にのみ表示されるタブになります。このまま「メインタブ」を選択しておきましょう。

その下の大きなウィンドウに、「ホーム」、「挿入」、「ページレイアウト」、「参考資料」と続いています。この並びは、下図のようにリボンのタブと同じで、つまり、ここに表示されているタブのことです。

Wordのリボンのイメージ

ただし、これらのメインタブのうち、「活用しよう!ワード」までは表示されていますが、その下から「ブログの投稿」、「挿入(ブログの投稿)」、「アウトライン」、「背景の削除」のタブはリボンのどこを見ても表示されていません。

この4つのタブは少し特殊なタブになります。まず「ブログの投稿」タブですが、これは、「ファイル」タブより「新規作成」を選択し、「使用できるテンプレート」から「ブログの投稿」を選択してみましょう。

「ファイル」タブの「新規作成」画面のイメージ

すると、下図のように「ブログの投稿」および、「挿入(ブログの投稿)」タブが表示される特殊なWord画面が立ち上がります。

「ブログの投稿」タブのイメージ

この画面は、Wordでブログを作成するための画面です。(ブログについて詳しくは、ブログとCMS を参照してください)ブログのアカウントを登録しておくと、Wordとリンクさせることができ、Wordからブログを投稿することができるようになります。

通常のブログの管理画面から投稿するよりも、Wordのほうが早くて使いやすいので、利用されている方も多いようですが、本項ではこの操作については割愛します。

次に、「アウトライン」タブですが、これは、通常の「表示」タブを選択し、その中の「アウトライン」ボタンを選択してみましょう。

「表示」タブの「アウトライン」ボタンのイメージ

すると、Wordがアウトライン表示に切り替わり、「アウトライン」タブが表示されるようになります。

リボンの「アウトライン」タブのイメージ

アウトライン表示については、次項で詳しく解説します。

最後に、「背景の削除」タブですが、これは図や写真などのオブジェクトを挿入して、それを選択したときに表示されるツールタブの「書式」タブの中から、さらに「背景の削除」ボタンを選択します。

「書式」タブの「背景の削除」ボタンのイメージ

すると、「背景の削除」タブが表示されます。

「背景の削除」タブのイメージ

このタブは、文字どおり図や写真などの背景を削除するためのタブになります。背景の削除については、挿入した写真の背景だけを削除する で詳しく解説します。

では、「Wordのオプション」画面に戻り、メインタブの「+」ボタンをクリックしてみましょう。するとタブが展開して、その中のグループが表示されます。「ホーム」タブを展開してみると、下図のように、「クリップボード」や「フォント」、「段落」といった項目が展開表示されます。

「Wordのオプション」画面のイメージ

これらは、リボンの「グループ」の部分になります。

Wordのリボンのイメージ

さらに「+」で展開表示してみましょう。「クリップボード」をさらに展開すると、「貼り付け」、「切り取り」、「コピー」などの項目が展開表示されます。

「Wordのオプション」画面のイメージ

これは、グループの中の「ボタン」の部分です。これが、クリックする対象となる実質的な作業プログラムであり、「コマンド」の部分になります。

Wordのリボンのイメージ

使用可能なコマンドは、「Wordのオプション」画面の左側、「コマンドの選択」のウィンドウにすべて収められています。つまり、ここから必要なコマンドを選択して、リボンに追加したりすることができるわけです。

では、まず新しい「タブ」を追加してみましょう。同画面の「新しいタブ」ボタンをクリックします。

「Wordのオプション」画面のイメージ

すると、下図のように「リボンのユーザー設定」のウィンドウ内に「新しいタブ」という名前のタブと「新しいグループ」という名前のグループが追加されます。

「Wordのオプション」画面のイメージ

次に、タブの名称を変更します。タブを選択して「名前の変更」ボタンをクリックすると、「名前の変更」ウィンドウが表示され、名称を変更することができます。ここでは、「いい感じのタブ」という名称にしました。

タブの「名前の変更」ウィンドウのイメージ

次に、グループの名称を変更します。同様にグループを選択して「名前の変更」ボタンをクリックすると、今度は、タブとは異なる「名前の変更」ウィンドウが表示されます。

グループの「名前の変更」ウィンドウのイメージ

このアイコンの一覧は、下図のようにウィンドウの幅を狭めた場合など、リボン上でグループ内のコマンドのアイコンが表示できない場合に表示させるグループのアイコンになります。

リボンで表示されるグループアイコンのイメージ

ここでは、アイコンを「ニコちゃんマーク」、グループ名称を「かなり使う」にしました。

グループの「名前の変更」ウィンドウのイメージ

そして、今度はこの作成したタブのグループ内に、左側の「コマンド」ウィンドウから、任意のコマンドを入れ込んでいきます。まずは、「コマンドの選択」のリストメニューを開いてみましょう。

「コマンドの選択」のリストメニューのイメージ

デフォルト(初期設定)では、「基本的なコマンド」が選択された状態になっています。これは、文字どおり基本的なコマンドがおさまっているメニューになります。したがって、よく使われているコマンドのアイコンが表示されます。

ここから目的のコマンドを探すのは大変ですが、例えば現行のタブにあるコマンドを新しいタブでも使おうと思えば、「すべてのタブ」を選択すると、下図のように、タブの並びと同じ表示になり、探しやすくなります。(他のタブに存在するコマンドも追加することができます)

「コマンドの選択」のリストメニューのイメージ

ここでは、「リボンにないコマンド」を選択してみましょう。すると、現在のリボンのどこにもおさまっていないコマンドが表示されます。

「コマンドの選択」ウィンドウのイメージ

この中のコマンド「200%拡大表示」を追加してみます。グループを選択した状態(ここでは「かなり使う」)で、「200%拡大表示」コマンドを選択し、「追加」ボタンをクリックします。

Wordのオプション」画面のイメージ

すると、「かなり使う」グループに「200%拡大表示」が追加されました。

グループにコマンドが追加されたイメージ

この要領で、好きなコマンドを追加することができます。

また、ここに前項で作成したマクロを入れ込むこともできます。リストメニューより「マクロ」を選択して、同様に「追加」ボタンよりグループに追加します。

マクロをリボンに追加したイメージ

一方、コマンドを削除したい場合は、そのコマンドを選択した状態で「削除」ボタン、もしくは右クリックメニューより「削除」することができます。

「削除」ボタンと右クリックメニューのイメージ

この「削除」は、コマンドだけでなく新規作成したタブや、既存のタブのグループも削除することもできます。(既存のタブのコマンドは削除できません)既存のタブについては削除できないので、必要がない場合はチェックマークを外して「非表示」にしましょう。

さて、これでコマンドがグループに追加できました。同様に「まあまあ使う」、「たまに使う」などのように複数のグループを作成し、適当にコマンドを追加てみましょう。

グループを追加したイメージ

次に、タブの位置を変更してみます。タブを選択した状態で、三角矢印マークをクリックすると、任意の位置に順番を変更することができます。ここでは、一番上に移動してみました。

「Wordのオプション」画面の三角矢印ボタンのイメージ

このボタンでは、タブの位置だけでなくコマンドの順番も変更させることができます。「OK」ボタンをクリックし、タブとグループが新たに追加されていることを確認してください。

リボンに新しいタブが追加されたイメージ

このように、タブを追加したり順序を入れ替えたりして、使いやすくカスタマイズすることができます。

また、追加したタブやグループ、削除したコマンドなどを元に戻したい場合は、「リセット」ボタンよりもとの状態に戻すことができます。

「リセットボタン」のイメージ

「選択したリボンタブのみをリセット」と「すべてのユーザー設定をリセット」から選択してリセットすることができます。「すべてのユーザー設定をリセット」を選択すると、すべてがもとの初期設定状態に戻ります。(後述しますが、クイックアクセスツールバーの設定ももとに戻ります)

さらに、このようにカスタマイズしたリボンの設定を、他のパソコンのWordでも使用したい場合は、設定をエクスポート(抜き取り)することができます。

エクスポートしたい場合は、「リセット」ボタンの下の「インポート/エクスポート」ボタンより、「すべてのユーザー設定をエクスポート」を選択します。

「インポート/エクスポート」ボタンのイメージ

すると、ファイルの保存画面が表示されます。ファイル「Word Customizations.exportedUI」を任意の場所に保存します。これが、リボンの設定内容を保存したファイルになります。

そして、このファイルを使用したいパソコンにコピーし、同ボタンより、今度は「ユーザー設定ファイルをインポート」を選択します。

すると、「ファイルを開く」画面が表示され、「Word Customizations.exportedUI」ファイルを指定すると、リボンの設定をインポート(取り込み)することができます。

以上で、リボンの設定変更については終了です。

次に、クイックアクセスツールバーについては、リボンと同様の操作でカスタマイズすることができます。「Wordのオプション」画面より「クイックアクセスツールバー」を選択すると、リボンと同様の画面で設定することができます。

「Wordのオプション」画面のイメージ

操作方法は全く同じです。コマンドの配置を見直したり追加したりして、より使いやすいようにカスタマイズしてみてください。

ただし、前述のように「リセット」ボタンよりリセットすると、今度はクイックアクセスツールバーだけでなく、リボンの設定も初期化されるので注意が必要です。

更新履歴

2015年7月20日
ページを公開。
2018年1月17日
ページをSSL化によりHTTPSに対応。

参考文献・ウェブサイト

当ページの作成にあたり、以下の文献およびウェブサイトを参考にさせていただきました。

「MS Word」からMTやWPにブログ投稿 - STAFF_01 [KYS-LAB]
http://www.kys-lab.com/sasaki/2010/03/ms-wordmtwp.php