- ホーム >
- 基本操作 >
- パワーポイント(PowerPoint)編 >
スライドの発表(1) ~ スライドショー ~
完成したスライドをひっさげて、いざプレゼン会場等で発表するときは、気持ちが高ぶってどうしても緊張してしまうものです。
それを克服するには、経験しかありませんが、事前にパニックにならないように「練習」しておくこと、客観的な目で事前にスライドを「評価」しておくことが大切です。
ただ、練習といっても、ただスライドショーを眺めてイメージを膨らませるだけでは意味がありません。
スライドショーがどのくらいの時間(何分間)なのか、アニメーション等がクリック動作なのか自動再生なのか、動画やExcelグラフなどは埋め込みなのかリンクなのかなど、正確に認識しておく必要があります。
それが「評価」するということです。出来栄えが「何点」と採点するわけではありません。
そしてもうひとつ大切なことは、
本番会場の環境を調べて、なるべく同じ環境で練習する
ということです。
環境というのは、会場のパソコンのマシン環境(OSやPowerPointのバージョン)や音響設備、立ち位置、照明の明るさ(暗さ)などです。
特に、PowerPointのバージョンについては、PowerPointの起動と終了 で解説したとおり、2007バージョンから拡張子が変更になっているので、それ以前の動作環境だと再生すらされません。
2020年現在では心配する必要はないと思いますが、念を入れて確認しておくか、旧バージョンでも再生できるように保存しなおしたファイルの両方を持っていくようにすれば間違いありません。
では、そうした動作環境を確認したとして、その後は具体的にどのように練習すればよいのかというと、PowerPointには、ちゃんとそういった「練習」用の機能がちゃんと用意されているのです。
まずは、スライドショーを確認しながらプレゼン発表の練習をしてみましょう。
そもそもスライドショーとは、アニメーションの作り方と効果 で少し触れましたが、
スクリーン等に投影したときと同じ映像が流れる
ので、ここで正しく動作しないのであれば、プレゼン会場でも正しく動作しません。
ひと通りスライドショーを初めから最後まで眺めてみて、スライドの順序やオブジェクトの動作のタイミング、文字の大きさやアニメーション等のバランスなどを俯瞰して、違和感がないかなどをさらっと確認ましょう。
スライドショーを確認するには「スライドショー」タブより目的に応じたボタンを選択します。アニメーションの作り方と効果 では「現在のスライドから」ボタンを使いましたが、他のボタンもあります。
下図のとおり、「スライドショー」タブの「スライドショーの開始」のセクションには、「最初から」「現在のスライドから」「オンラインプレゼンテーション」「目的別スライドショー」4つの種類があります。
このうち「現在のスライドから」ボタンは、いま開いているスライドページからスライドショーをスタートさせるというものでした。
これは、画面右下の下図のボタンも同じです。
今回は、最初から全体を通して見たいので、「最初から」を選択します。
すると、どのページを開いていでも、いちばん最初のページがらスライドショーが開始されます。ひと通り全体を流して確認してください。
スライドショーのボタンの中で最もよく使うのはこの2つです。残りの2つについては後述します。
では、スライドの書式や流れに問題はないこととし、次は、
リハーサル
を行います。
これは、本番と全く同じプレゼンを実際にやってみるということです。
つまり、予行演習です。「リハーサル」という機能を使うと、そのスライドショー全体にかかる「時間」をはかることができます。
時間がわかったら、仮にそれが長いのであればどこを削ればよいのかを考え、短いのであればもっと説明できることはないか、もっと時間をかけてよいところはないかなど、有効な時間の使い方を考えることができ、より質の高いプレゼンを行うことができます。
したがって、大切なことは、本番とまったく同じようにプレゼンすることです。
実際に声を出して説明してみるのです。イメージだけでは意味がありません。経験が少ないうちは、本番ですらすらと最後まで話すことはできません。口ごもったりつかえたり、節々で言葉を探してしまうでしょう。
そうならないように、体(というより口)に覚えさせるくらいの気持ちで練習してください。
リハーサル機能を使うには「スライドショー」タブの「リハーサル」ボタンをクリックします。
すると、通常のスライドショーと同様にスライドショーが開始されますが、画面左上に下図のような「記録中」というストップウォッチのような小ウィンドウが表示されます。
これは「リハーサル」ボタンをクリックすると自動的に立ち上がり、タイマーのカウントがスタートします。各ボタンの機能は下図のとおりになります。
まず左から、「次へ」ボタンになります。
これは、現在のスライドを強制的に飛ばして次ページを表示させるボタンです。カウントの途中でも次のスライドへ移ります。
その右は「記録の一時停止」ボタンになります。そのまま一時停止のボタンです。
これらは、それほど頻回に使用すべきではありません。
重宝するのはその右の3つです。
真ん中のタイマーは、「スライド表示時間」を示しています。「現在開いているスライド」の経過時間を表示し、そのスライドで何分・何秒必要なのかを見ます。
その隣は「繰り返し」ボタンです。繰り返しというより、そのスライドの最初に戻り(ゼロ秒に戻り)、もう一度やり直すボタンです。何度でも繰り返しそのスライドの練習をするために必要なボタンです。
最後に一番右は、「全体の経過時間」を表示しています。つまり、最初のスライドが開始されてからのトータル時間を表示します。全体で何分のプレゼンになるのかを見る一番重要なタイマーになります。
ただし、画面切り替えの効果を設定している場合は、その効果の時間はカウントされないので、実際のトータル時間はこの表示よりもその分だけ長くなります。(画面切り替えの効果について詳しくは、画面切り替えの効果 を参照してください)
リハーサルが終了すると、下図のようなウィンドウが表示されます。(適当にリハーサルをやってみてください)
所要時間が「何分何秒」と表示され、「今回のタイミング保存しますか?」と表示されています。
これはかなり「要注意」なのでしっかり覚えておいてください。
ここで「はい」を選択した場合、
リハーサルで記録された所要時間でスライドが切り替わるように設定される
ことになります。
つまり、スライドの画面切り替えの時間が、自動的に全スライドに設定されることになります。
少しわかりずらいので、「表示」タブの「スライド一覧」表示に切り替えてみると、下図のように、全スライドの右下に時間が設定されていることがわかります。
この時間は、リハーサルで記録された各スライドの表示時間です。
リハーサルで時間を記録して保存すると、スライドショーの全体の上映時間や各スライドの表示時間を把握することができますが、保存されたタイミングでスライドショーの画面が自動的に切り替わるように設定されてしまうという怖い面もあります。
スライドショーを再生してみましょう。自動的に画面が切り替わっていくはずです。
このとき、「画面切り替え」タブの「画面切り替えのタイミング」の箇所は、「自動的に切り替え」にチェックがされていて、切り替えの時間も自動的に設定されています。
このことは知っておかなければ、本番中に意識しないところでスライドが自動的に切り替わってしまい、パニックになる可能性があります。
こう言われるとリハーサル機能にためらいがあるかもしれません。
しかし、記録は簡単な操作で消去できます。タイミングが保存されることを知っておきさえすれば、何も恐れることはありません。
記録されたタイミングの時間表示を消去したい場合は、「スライドショーの記録」ボタンの「クリア」から「すべてのスライドのタイミングをクリア」を選択すると、全記録を消去することができます。
リハーサルでは、終了時に「はい」を選択することで、タイミングが記録され、それが全スライドに設定されるということは必ず覚えておきましょう。
このように、リハーサル機能を使って本番と同じように通して練習してみると、スライドごとに時間が確認できて、実践的な練習をすることができます。
では次に、スライドショーの種類の残り2つ「オンラインプレゼンテーション」と「目的別スライドショー」についてです。
まず、「オンラインプレゼンテーション」ですが、これは旧バージョンでは「ブロードキャストスライドショー」という名称でした。
PowerPointファイルをオンライン(インターネット)でブロードキャストする、つまり「特定多数のユーザーに送信する」という機能です。
なかなかイメージしにくいと思いますが、オンラインゲームで不特定多数の仲間を募ってプレイするように、インターネット上で参加者を招待し、顔の見えない複数の相手に向かって、同時進行でスライドショーを流す機能になります。
また招待者は、PowerPointのソフトがなくても、ブラウザでスライドショーを見ることができます。(ブラウザについて詳しくは、インターネット編の ブラウザの設定と使い方 を参照してください)
発表者は、まず同ボタンから、オンライン上にプレゼンテーションファイルを作成し、同ファイルへのリンク(URL)を参加者に送信します。
そして、この招待を受けた参加者が自分のブラウザでスライドショーを見ることができるようになります。
下図は、リンクが作成されたイメージです。
この機能を使うと、わざわざ会議室等に人を集めなる必要がなく、どこにいてもインターネット上で情報を共有することができます。
ただし、当然ながらインターネット環境が必要なこと、事前にWindowsのID登録が必要なこと、ファイルのサイズ制限があることなど、いくつかの制約があります。
したがって本項では、オンラインプレゼンテーションについては概要の説明にとどめたいと思います。(PowerPointの応用操作編で解説しています)
次に、「目的別スライドショー」についてです。
これは、何度もプレゼンや発表の機会がある方には大変便利な機能です。
例えば、「大鯉の釣り方」のPowerPointファイルを使って、今後、複数回のプレゼンを行うとします。そのうちひとつは持ち時間15分で、またひとつは30分だとします。
こういった場合、PowerPointファイルをコピーして、その発表用にスライド枚数をそれぞれ調整して、「別々のファイル」にしているかもしれません。
しかし、この目的別スライドショー機能を使うと、そんな面倒なことをしなくとも、目的ごと、つまり発表ごとにスライド枚数を変えたスライドショーを流すことができます。
ひとまず、「目的別スライドショー」ボタンをクリックしてみましょう。
もう一度「目的別スライドショー」が表示されるので、これをまたクリックします。すると、下図のように、「目的別スライドショー」ウィンドウが表示されます。
ウィンドウ右上の「新規作成」ボタンをクリックします。するとさらに、「目的別スライドショーの設定」ウィンドウが表示されます。
この画面は一目瞭然だと思います。
必要なスライドだけを選択して「追加」ボタンで登録していくことができます。一番上の「スライドショーの名前」のところで名前をつけて保存することで、目的ごとに複数のスライドショーを作成することができます。
例えば、下図のようにタイトルを「15分用」として、適当にスライドをピックアップしてみました。
左側がすべてのスライドのリストです。そこから任意のスライドを選択して、中央の「追加」ボタンで右側にピックアップしていきます。
これで「OK」ボタンをクリックすると登録できます。この「15分用」のスライドショーでは、ピックアップしたスライド5枚のみがスライドショーで流れるようになります。
下図は、複数登録した目的別スライドショーがリストアップされているイメージです。
目的別スライドショーを登録しておくと、下図のように、最初の「目的別スライドショー」ボタンにリストが表示されるようになります。ここからワンクリックで選択して再生することができます。
このように、目的別スライドショー機能を使うと、同じひとつのファイルから、何通りものスライドショーを流せるようになります。
持ち時間などの状況に応じて、ファイルをコピーしてスライド枚数の調整をするような面倒なことをしなくてすむようになるので、ぜひ覚えておいてください。
では、最後に「おまけ」として、スライドショーの「設定」を少しだけ紹介します。
設定といっても大それたものではありません。まずは、スライドショーの設定画面を開いてみましょう。「スライドショー」タブの「スライドショーの設定」ボタンをクリックします。
すると、「スライドショーの設定」画面が表示されます。
ここで紹介するのは、赤丸で囲んでいるように「レーザーポインター」機能についてです。
これはあまり知られていない機能ですので、ぜひ使ってみてください。
レーザーポインターとは、まさにスクリーン画面に当てるレーザーポインターのことで、PowerPointには標準でポインター機能がついているのです。
スライドショー中にレーザーポインターを表示するには、Ctrlキーを押したままマウスの左クリックで、カーソルが下図のように変化します。
また、スライドショー画面の右クリックメニューからでも、常時ポインターに変化させることができます。
デフォルト(初期設定)では、ポインターの色は赤色ですが、設定画面で自由に変えることができます。
これで、実物のレーザーポインターがなくても十分やっていけます。こうした機能を有効に使って、よりレベル高いプレゼン発表の練習をしてください。
更新履歴
- 2013年6月18日
- ページを公開。
- 2017年12月27日
- ページをSSL化によりHTTPSに対応。
- 2020年2月21日
- PowerPointのバージョンを2016に変更。
参考文献・ウェブサイト
当ページの作成にあたり、以下の文献およびウェブサイトを参考にさせていただきました。
- 文献
- なし
- ウェブサイト
- なし
- 管理人のつぶやき
- Twitterのフォローお願いします!